2002/2/10 東京国際マラソン
レース後記者会見 神屋伸行
『楽しみにしていた憧れのフルマラソンで、思いっきり洗礼を浴びてしまいました。15kmくらいで右足の裏のマメをつぶし…』
Q.今の感想は?
神屋 楽しみにしていた憧れのフルマラソンで、思いっきり洗礼を浴びてしまいました。とにかく、完走できてよかった、が一番の気持ちです。
Q.途中、太腿あたりを気にしていましたが。
神屋 15kmくらいで右足の裏のマメをつぶし、24kmあたりでいい音がしました。あまりに痛かったというか…太腿ではありません。
Q.いい音とはマメとは別の?
神屋 マメです。マメがつぶれた音というか…。先ほど医務室で見たらズルズルといっちゃっていたというか…。箱根で痛めた左(脚)をかばって、右(脚)に負担をかけた結果だと思うので、これも実力のうちです。
Q.これまでマメをレース中につくったことは?
神屋 たまにあるんです。2年の全日本(大学駅伝)で、山梨学大に追いつく直前につくったりとか。こんな早い段階でマメつくって、残り3分の1を苦しむなんてことは、これまでありませんでした。そのときは、今日も左足にちょっと血マメができましたが、それと同じくらいのレベルでした。今日の右足はもっとひどくて、ここまでになったのは初めてです。
Q.やめようと思わなかった?
神屋 30km地点で、これはもたないかなと、正直思いました。そこまでに(マメをつぶしたあと)もう10kmくらい走っていて、やばいかなと感じていました。30kmには父親もいまして、「やめろーっ」と叫んでいて、これはどうかとも思いましたが…。せっかく憧れのマラソンに初めて出たのに、棄権だけはしたくない、競技場のマラソン・ゲートだけはくぐりたいと思って頑張りました。
Q.レース前は、もうちょっと走れると考えていた?
神屋 そうですね。目標としては、2時間15分は切りたいと思っていました。最後の上りはすごいきついと思いましたが、思ったより前半ロスした分もあったと思います。
Q.マラソンは箱根駅伝の2区と比べて甘くない?
神屋 距離が長い分、どこかを痛めたこととか、万全の状態で出られないことが、もろに響くのがよくわかりました。響いてからが長いというのも、よくわかりました。
Q.マラソンは大変だなという気持ちなのか、もっとやってやろうという気持ちになったのか…?
神屋 課題は山積みですけど、1個1個克服する楽しみをたくさん残したというか、(その辺を)どんどんやっていきたいという気持ちはあります。テレビの解説でちらっとフォームが悪いと言われたようですが、練習でそのフォームを直すのもずっと課題にはしてきたんですけど、実業団に行くこともありますから、一から作り直すチャンスでもあるんです。あちこち痛めたのも、走り込み不足とフォームが悪いのが原因。たくさんやることがあって、よかったと思っています。
Q.箱根のときのつらさと、今日のつらさをの違いを、表現することはできますか。
神屋 箱根は優勝できると思って出場したチームの2区(エース区間)で、ああいう形で失速ということになったのは、精神的につらいのと、焦りがかなり大きかった。直前によくなかったのもあって、いい気分で本番に臨めなかった。そういう精神的なものがあったと思います。今日は力がないっていうのもあって、後半、完走目的になってしまって、つらいっていうか…。一番つらかったのは応援してくれる人に「頑張れー」って言われることに応えられないことでした。「頑張れー」って言われても動かない歯がゆさがありました。肉体的なきつさはそんなに違わなかったと思います。長いか、短いかだけで。
Q.今日は何kmまでレースをしたと感じましたか。
神屋 折り返しまでです。折り返しでサヨナラしちゃって、あっけなかったなと。
Q.マメさえなければ、まったく問題なかった?
神屋 タラレバを言ったらきりがないですけど、どうですかね。なかったらどうだったかっていうと、見当がつきません。もう少し試したかった気持ちはありますけど。こういう状態になったのも、今の力だと思います。次に出るときまでに向上して、アクシデントの起きないような力を付けたいと思います。