2001/9/14
スーパー陸上前日記者会見
★マイケル・ジョンソン
『明日は自分自身のためというより、日本のファンのために走りたい』
Q.現在のコンディションと明日、どんなパフォーマンスをしたいか教えてください。
ジョンソン コンディションはまあまあだが、過去と同じ意味ではない。かつてはベストを尽くして、勝利や記録を目指していた。今シーズンの目標自体が過去とは違って、競技人生を楽しむことなんだ。明日は自分自身のためというより、ファンのために走りたい。そのことを思い切り楽しみたい。
Q.改めて、引退した理由と、最後のレースに横浜を選んだ理由をお聞かせください。
ジョンソン 2000年のシーズンを終えた時点で、決意した。私を応援してくれたファンのために、今シーズンを捧げようと決めたんだ。日本にも私を応援してくれる人がたくさんいる。そういった人たちに、私の感謝の気持ちを示したい。
Q.ちょうど、バスケットのジョーダン選手がカムバックしようとしていますが、ジョンソン選手もカムバックを考えるときが来ると思いますか。
ジョンソン カムバックの可能性を考える前に、まずは引退をしないといけない。引退後にどういう気持ちになるのかはわからないが、引退はよくよく考えて決めたこと。とにかく今は、前向きに人生を生きたいと考えている。
Q.最も印象に残っているレースを1つと、明後日から何をしたいのかを教えてください。
ジョンソン 1つというのは無理だ。私は全ての記録、全ての成績が大事だと考えているし、全てがなつかしく思える。1つを答えることは、とてもできない。今後のことは、今シーズンと似た生活になるかもしれない。私にも妻がいて息子がいる。13年間競技をしてきたが、家族との生活を第一に考えていく。今も放送関係の仕事をしているけど、これからはいろいろなことに挑戦していきたい。
Q.アメリカでテロがあった後ですが、どんな気持ちで走るのでしょう。
ジョンソン その2つはまったく次元の違うこと。だが、命を落とした人たちには心から哀悼の意を表したい。あのような不幸な出来事に対し何ができるかを考えると…祈りを捧げることだと思う。全ての犠牲者に祈り続けることが大事だと思う。
*なお、来日した11日にジョンソンは、「(スウェーデン・リレーの)何走を走るかは決まっていない」と話したが、主催者からあらためて、ジョンソンは4走(400 m)を走ることが発表された。

★ジョルコフスキー ★室伏広治 ★コノワロフ
『明日は80mを投げて、難しいかもしれないが、室伏を破りたい』(ジョルコフスキー)
『今シーズン最後の闘い。精一杯頑張りたい』(室伏)

Q.現在のコンディションと明日、どんなパフォーマンスをしたいかお聞かせください。
ジョルコフスキー 明日の目標は80mを投げること。そして室伏選手を破りたい。が、室伏選手は先週(グッドウィルゲーム)82m以上、83m近くを投げているし、素晴らしいコンディションだと理解している。勝つのは難しいかもしれないが、彼を破って私の日としたい。
Q.世界選手権後、どんな経過でここまで来ましたか。
室伏 世界選手権のあとも、通常通り練習をしてきました。試合も残っていたので、納得する形でそれらの試合を終えたいと考えています。
Q.明日、どんなパフォーマンスをしたいかお聞かせください。
室伏 今シーズン最後の闘いですから、精一杯頑張りたい。
Q.現在のコンディションと明日、どんなパフォーマンスをしたいかお聞かせください。
コノワロフ 実はそんなに調子が良くない。明日は77〜78mが出せればいいと、弱気になっている。今年は世界選手権に向けてコンディションを作りをして、その結果エドモントンでは最良のコンディションで、シーズンベストも出すことができた。そこで途切れてしまった。坂を落ちるようにとまでは言わないが、立て直すのは難しいかもしれない。
Q.ジョルコフスキー選手と室伏選手は、世界選手権前からそうだったのかもしれませんが、世界選手権のあとかなり友好を深めたように思えます。お互いの存在を選手として、また、人間としてどう思われていますか。
ジョルコフスキー それは、難しい質問だ。なぜなら、隣に広治が座っているから(笑)。それはともかく広治は大変にフレンドリーで親切だ。多くの日本人がそうなのかもしれないが。広治は世界選手権前からいい記録を出し続けていたので、強敵として恐れていた。来年はGPもある。これからますます強くなり、強敵になっていきそうだが、友好関係を続けていきたい。広治は素晴らしい人間だと思う。
室伏 自分が試合に出る前、今年の3月にジョルコフスキー選手は82mを投げていて、自分も去年より順調でしたが、今年はかなりレベルが高くなると思いました。世界選手権前、2試合で運よく勝て、世界選手権は勝負では負けましたが、本当にいい試合ができたと思います。いいライバルに巡り会えてよかったと思います。来年、世界選手権、オリンピックに向けて、かなりレベルの高い試合になっていくと思います。

★サンチェス ★モーリ ★為末 大
『5台目の通過は20秒80から20秒90くらいで』(サンチェス)
『サンチェスがどんなタイムでも、1歩前にいたい』(為末)

Q.現在のコンディションと明日、どんなパフォーマンスをしたいかお聞かせください。
サンチェス このまま勝ち続けたいし、明日は優勝したい。だが、世界選手権、ブリスベン(グッドウィルゲーム)と頑張って、体力は落ちている。その後の練習はつらかったが、できるだけのことはした。
Q.為末選手の銅メダルをどう思いますか?
サンチェス お互いがいい記録を出すことができ、また、いい勝負ができた。結果的にシドニー五輪と同じレベルの記録を出すことができた。
Q.現在のコンディションと明日、どんなパフォーマンスをしたいかお聞かせください。
モーリ 世界選手権のあと10日間で4レースに出たので、正直、疲れはある。だが、エネルギーも少し残っているので、それを十分に活用してスピードを出したい。速いレースができればいいなと思っている。
Q.30歳を過ぎて自己記録更新できる理由は?
モーリ 過去5年間、健康で最も高いレベルを維持してこられた。特に秘訣というものはないが、走ること、競技人生を楽しむようにしている。十分に準備をして、健康を維持し、友好的に楽しんで練習を積むことが、要因といえばいえるかもしれない。
Q.現在のコンディションと明日、どんなパフォーマンスをしたいかお聞かせください。
為末 世界選手権のあとヨーロッパで3戦し、正直、疲れは残っている。でも、日本で行われる試合ですし、他の2人よりも準備はしてきたつもりです。他の2人に疲れがあるのなら、優勝の可能性もあると思って頑張りたいと思います。
Q.練習はいつから再開しましたか。
為末 取材なども多かったんですが、トレーニングに影響はありませんでした。ただ、道を歩いていて知らない人に声をかけられるのは、気分がいいかと思っていましたが、あまりよくないことがわかりました。
Q.3人とも前半から飛ばすタイプですが、明日のレースでは5台目を何秒で通過したいと思っていますか?(世界選手権の為末は20秒78)
サンチェス 5台目にこだわらず、できるだけ速いタイム、48秒を切ってできれば47秒台でフィニッシュしたい。前半にこだわるとすれば、20秒80から20秒90くらいで行ければいいと思っている。だが、自分としては8台目以降で競うレースをしたいと思っている。
モーリ サンチェスの答えに、正直、ビックリしている。その横にいたら、最後まで生き残れるか心配だ。
為末 たぶん2人には質問の意味がよくわかっていないと思います。外国選手はあまり、そのあたりを考えていないんです。ローリンソンとか、イギリス人は研究してるみたいですけどね。僕はできれば、サンチェスがどんなタイムで行っても、1歩前にいたいと思います。せめて5台目までは。