2001/7/15 日本学生種目別選手権
関東インカレに続く1500m&5000m2冠で“学生に敵なし”
徳本の今後のビジョンは――?
来年のヨーロッパ遠征で日本新!?

 大会1日目の5000mに続き、1500mを3分43秒89で制した徳本一善(法大4)。400 mは59秒、800 mは2分01秒の通過。ラスト1周は「55秒台後半」(徳本)だった。3分43秒89は自己3番目のタイム。関東インカレでも同じ2種目に勝っている。まさに“学生に敵なし”の強さだ。
「これで1200mが3分(00秒)通過なら、3分40秒で行けます。1500mは来年、ヨーロッパに遠征する予定で、日本記録はたぶん出ると思います。今回は5000m、1万mの練習で1500m(と5000m)に出ましたが、来年はそれを逆にします」
 ユニバーシアードの種目選択だが「5000mと1万mで、どちらもメダルを狙います」と、きっぱり。気になるのは、ユニバーシアードの会期中は、箱根駅伝を目指す大学にとって、夏合宿の真っ最中、という点だ。チームの大黒柱である徳本が抜けることで、練習の士気が下がることが、一部で不安視されていた。
「チーム状況はよくありませんが、1次合宿は参加できるので、そこでみんなの意識をいい方向に持っていって、あとはユニバーシアードで頑張ることで(士気を高めたい)。箱根駅伝を考えると、ユニバーシアードは5000mと1万mでちょうどよかったのではないかと思います。ユニバーシアードはタイムよりもメダル。ここでメダルを取れば来年のGPに参加しやすくなります。それに、優勝タイムが1万mは28分10秒〜20秒、5000mも13分30秒台でメダル圏内かもしれません。(そうなったら)自己新を出したいですね」
 徳本の自己記録は5000mが13分45秒83、1万mが28分15秒06。そして1500mは、昨年マークした3分42秒14。
 徳本に話を聞いたあと、1500m日本記録保持者の石井隆士日本陸連中距離部長に話を聞くことができた。それによると、石井氏が最初の日本記録3分40秒8を出したのは1976年のヨーロッパ遠征で、その1週間後には3分38秒4まで記録を伸ばした。だが、その遠征前の自己記録は3分42秒9だったという。その遠征で約4秒の自己記録更新だったのだ。徳本にも当然、その可能性はある。