2002/1/25
大阪国際女子マラソン前々日記者会見
キプラガトが好調宣言、弘山&安部も“勝つレース”に意欲
『ケニアでこれだけ熱心にトレーニングをしたのは初めて』(キプラガト)
『2年前のことを言われると思いますが、それを乗り越えて元気に走ってます』(弘山)
『新しい山に登るための第一歩。まだ元気に走っていることも伝えたい』(小幡)
『目標は優勝です。タイムは全然考えていません。優勝しか考えていません』(安部)
『まずはタイムを狙って次につなげたい』(岡本)
Q.大阪に向けた練習とコンディションについて聞かせて下さい。
ローナ・キプラガト(ケニア) トレーニングはケニアで2カ月半、日本に来る前の2週間はオランダで最終調整をしました。最後の8週間は集中できました。スピードのあるトレーニングもやりました。ケニアでこれだけ熱心にトレーニングをしたのは初めて。コンディションはいいです。
ファツマ・ロバ(エチオピア) トレーニングはアジスアベバで2カ月間やりました。すべての面が重要でした。トレーニングはうまくいったし、体調もいいです。
エルフィネシュ・アレム(エチオピア) 私もアジスアベバで、3カ月間練習しました。長距離のトレーニングもスピードワークもやりました。練習はうまくいったし、体調は良好です。
弘山晴美(資生堂) 全日本実業団対抗女子駅伝のあとから、マラソンの走り込みを始めました。奄美大島と宮崎で合宿し、宮崎女子ロードでハーフマラソンを走り、奄美大島で合宿して走り込みました。今までのレースは(練習の課程で)故障したりしていたので、そのへんに注意しながらトレーニングしました。途中で胃腸を悪くすることもありましたが、故障することなく順調にきました。調子は良くもなく、悪くもなく、走ってみないと分かりません。
小幡佳代子(アコム) 11月からマラソン練習を始め、11月はつくば、12月頭から奄美大島で合宿しました。年末年始は宮崎で合宿し、女子ロードに出て、奄美大島で合宿しました。今回は初心に戻るつもりで、監督からいただいたメニューをこなすという基本的なことを考えてトレーニングしました。体調はまずまずです。
安部友恵(旭化成) 大阪に向けては12月半ばごろから。東京を走ったので、私の頭では10月頭からマラソン練習をした感じです。年末年始は宮崎市内で、あとは地元延岡で練習しました。調子はいつも、パワフル元気です。
岡本治子(ノーリツ) 12月の全日本実業団女子駅伝後から本格的に練習を始めました。その後は徳之島合宿、年末年始は宮崎、その後神戸に戻って、最後の調整は宮崎でやりました。2週間前に体調を崩しましたが、それまでのポイント練習はおさえてきました。最後はましな走りができたので、あとは頑張ろうと思います。
Q.今回のレースの目標は? 何かアピールしたいことがあればお願いします。
キプラガト もちろん勝つこと。優勝のためでなければ、ケニアから遠い大阪に来たりしません。気象条件にもよりますが、自己ベストの2時間22分36秒を更新できればと思います。日本にこれたこと、大阪にこれたことはとてもうれしいです。というのは、日本の方は陸上競技への思い入れが深いからです。女子だけのレースとか、男子だけのレースとかが盛んなのは素晴らしいこと。欧州にはありません。ランナーにとって大阪のように尊敬される環境の中で走れるのはうれしいです。陸上への興味が深いことは、日本のテレビ局がケニアまできたことでもそう感じました。レースの日はぜひ沿道にきて応援して欲しいです。天気予報では雨なので、ぜひとも傘を忘れずにお越し下さい。
ロバ もちろん優勝を狙いたい。タイムはわかりません。アピールしたいことは考えていません。
アレム 目標は自己ベストの更新です。最善を尽くしたい。23分台がでればうれしいです。
弘山 目標は優勝で、タイムは特に考えていません。レースの流れに乗って、最後我慢して、優勝テープを切りたいです。アピールしたい点は(間をおいて)、大阪というと2年前のことを言われると思いますが、それを乗り越えて元気に走ってますということをアピールしたいです。あと、陸上歴21年になるので、そのへんもアピールしたいです。
小幡 目標は納得のいくレースをすること。ここ3レース納得できなかったので。チームも替わったし、一区切りついたと思って、新しい山に登るための第一歩と思っています。まだ元気に走っていることも伝えたいと思います。
安部 ここ数年勝ちたいと思っていましたが、優勝したいと口にしませんでした。12月から、大阪で優勝するんだと、いつも胸に優勝優勝といいながら走っていました。目標は優勝です。タイムは全然考えていません。優勝しか考えていません。タイムはその時ついてくると思います。アピールしたい点は、ここ5、6年ずっとユニホーム姿を画面にうつしていないので、初めはうつらなくてもいいけど、中盤くらいから旭化成のユニホームをドンと前に出したいです。
岡本 今まで3回のマラソンは最初から自分のペースを守ってきましたが、今回は集団で走って次のマラソンにつながるレースができればいいと思います。30分を切って、次につなげられればいいと思います。日ごろたくさんの人に応援してもらっているので、元気に走っている姿を見せたいと思います。
Q.昔はどんな子供だったのですか?
キプラガト 自分自身で子供のころがどうだったかは覚えていません。思い出すと、悪い子供ではなかった、むしろいい子供だったと思います。親に教えられてよかったのは、何でも分かち合いなさい、必要としている人が食べ物でも分かち合うべきということです。それでトレーニングキャンプも始めることにいなったのです。最初は練習環境が悪かったので、私がトップランナーになって豊かになったら、後輩たちのために環境づくりをしたかったのです。宝くじを買う人たちが夢を持つように、私は今それが実現できたと思います。
Q.ロバさんはリラックスしたように見えますが、アレムさんがいることが大きいのでしょうか?
ロバ 確かに今はハッピーです。おそらく、アレムがいるので、それも助けになっているのでしょう。
Q.新聞で読みましたが、やはりトラック勝負で勝ちたいのですか?
弘山 それは日曜日にならないと分かりません。どこかでスパートするかもしれないし、そうなるかもしれないし。でも、それが一番やってみたいなと思うレースです。
Q.女子単独レースの世界最高記録を知っていますか?
キプラガト 分かりませんが、大阪で出された記録ですか? ロンドンでしょうか? 特に意識はしていませんが。
(質問者から、単独レースの記録を狙っているかどうか知りたくて聞いたとの補足あり)
Q.キプラガトさんにとって、ヌデレバやロルーペはどういう存在か? 日本の選手をどう思うか?
キプラガト キャサリンが世界最高を出したことは喜んでいます。友人だし、トレーニングを見ていると、出してもおかしくないし、世界記録保持者に値する人物だし、人間的にも素晴らしい。ロルーペは同じマネジャーのもとでトレーニングをしたこともあるし、それを出す力がある人だと思う。ケニアと日本は女子マラソンで類似点があると思う。みんな一生懸命トレーニングして、一生懸命走る。ライバルではなく、お互いに尊敬し合える関係にあると思います。
Q.アレムさんにとって、ロバさんはどんな存在ですか? 同じレースを走る気持ちはどうですか?
アレム 昨年は大阪を1人で走ったので、ここに一緒にいられるのはうれしいです。一緒に走って一緒に優勝できればと思います。
Q.順位とタイムはどちらに重きを置きますか?
キプラガト もちろん勝つことは重要ですが、2時間40分で優勝してもしょうがないので、やっぱりタイムの方が重要です。
ロバ 勝ちたいですが、あえていうなら、タイムの方が重要です。
アレム どちらとも言えません。いいタイムを出したいですが、いい順位でも走りたい。選べません。
弘山 もちろん勝つことは大事だと思います。記録はあとからついてくると思います。でも速い方がいですし、どちらとも言えません。
小幡 マラソンを走るからにはいつも自己ベスト更新を考えていますが、タイムはレースの流れで変わってくる。流れの結果がタイムだと思うので、(重きを置くのは)順位だと思います。
安部 今回は優勝優勝優勝優勝と言ってきたので、タイムは分かりません。今回は順位でお願いします。
岡本 私は中身のあるレースをしたいので、まずはタイムを狙って次につなげたいです。