女子フィールド
走高跳は過去6年、2人の選手しかタイトルを取っていない。言わずと知れた今井美希と太田陽子で、1995年から今井−太田−太田−今井−今井−太の順。今年もこの2人の優勝争いになりそうだ。シドニー五輪でともに健闘した2人だが、世界選手権のA標準が1m95に跳ね上がったため、2人とも未突破。今季のベストは今井1m92で太田1m88(自己ベストはともに1m95)。課題を最終選考会まで持ち越してしまったが、もしも2人揃って突破できなければ、世界選手権には1人しか出場できない。今大会注目の2強対決種目だ。
棒高跳は、世界選手権B標準(4m20)突破者の小野真澄が今季、4m00がベスト。近藤高代が東アジア大会で4m10をマークし、一歩リードの観がある。昨年の選手権者・江口茜も、タイトル防衛と自身初の4m00に挑むだろう。森郁子は自身のジュニア日本記録3m85の更新がなるかどうか。
走幅跳は池田久美子が本命。ファウルの跳躍だが実測で、6m65の世界選手権B標準を上回る跳躍を、東アジア大会で見せていた。しかも、東アジア大会は小雨の降る悪コンディション。天候に恵まれれば、B標準突破は十分期待できる。ちなみに日本記録は6m61。その日本記録保持者の花岡麻帆は、今季、左踵の痛みの影響でいまひとつだが、池田以外の選手とは力の差を見せつけているし、身体的、天候的に悪コンディションでも6m30台を跳んでくる。故障が問題なければ、池田を脅かす存在になる。
三段跳は花岡麻帆の3連勝が確実だが、問題は左の踵の痛みだ。痛みがあっても13m台後半は跳んでくるだろうが、14mとなると…。2位争いも、今季13m01をマークした井原福代が確実に入ってきそうだ。
砲丸投は昨年、日本選手権を16m46の日本新で制した豊永陽子が、3月のオーストラリア遠征で15m97とまずまずの記録を投げたが、その後、春季サーキットには出場してきていない。一方、国士大の後輩である森千夏は、兵庫リレーカーニバルで16m42と、日本記録に迫る投てきを見せている。優勝者は、市岡寿実を加えた3人の中から出るのは確実。問題はやはり、そのうちの誰が日本記録を更新するかだ。
円盤投は“2強対決”種目の1つ。日本記録(56m84)保持者の室伏由佳と、歴代2位(56m51)の中西美代子の、中京大先輩後輩対決だ。しかし、今季の調子は中西の方が明らかに上だ。中西は自己2番目の55m28を筆頭に、55m台を2度マークしている。現時点では、中西有利といえそうだ。
ハンマー投には、今大会6連勝中の3選手うちの1人、鈴木文が登場するが、綾真澄が今季61m15と鈴木の日本記録に18cmと迫っている。直接対決でもついに、鈴木の牙城を崩した。だが、鈴木も今季、60m66をマークし、“2強対決”の様相を呈している種目だ。ここに室伏由佳(今季59m64の日本歴代3位)が加われば、“3強対決”になるのだが。
やり投は、水戸国際で61m15の日本新をマークした三宅貴子が絶対本命。その投てきでA標準も突破(選考会)しているので、3位以内に入れば自動的に代表に内定する。初日で、代表内定者第1号となる可能性が高いだけに、スカッと60mスローで決めてほしいところ。2位争いは混沌としている。
七種競技は今季5597点の佐藤さよ子と、5567点の菊川恵子の、筑波大OB対現役学生の対決となる可能性が高い。日本記録保持者の中田有紀は今季試合に出てきていないが、日本選手権には参加の見込み。ただ、優勝争いに加われるかどうかは、なんともいえない。筑波関係選手の連勝が続く公算が大きい。