三段跳   エントリーリスト
杉林が唯一の標準突破者だが、
筑波大の後輩・渡辺と先輩・吉田も要注意



 東アジア大会では自分の跳躍の不甲斐なさに怒りを露わにした杉林孝法だったが、逆転負けを喫したことも、結果としては痛かった。杉林の場合、世界選手権A標準(16m95)は昨年すでに突破しているが、今季は16m45(±0)が最高。東アジアで勝っておけば、日本選手権3位以内で自動的に代表が決まったのだ。
 しかし、今の日本の現状を見たら、そこまで神経質になることはないだろう。
 渡辺容史が関東インカレで16m67(+0.9)と、B標準に3cmと迫った。渡辺がB標準を突破して優勝したら、どちらを選ぶのか、という問題が生じるが、それは終わってから陸連が悩めばいいことで、選手が試合前に頭を悩ますことではないし、ファンが「どうなるんだろう」と気にかけても、どうなるものでもない。
 杉林も、神経質になってはいないだろう。
 水戸国際では杉林が16m65(+3.2)で日本人トップの2位で、渡辺が16m38(+3.0)で日本人2位、走高跳から三段跳に重点を移した吉田孝久が16m37(+3.2)で同3位。吉田は「いっぱいいっぱいですよ」と言いながらも、表情は明るかった。25歳の筑波大OBと20歳の筑波大現役学生、そして31歳の筑波大OBの激突は、今大会の注目種目の1つに数えるにふさわしい。