800m   エントリーリスト
記録的には森が突出しているが、優勝候補一番手は笹野
早く脱したい低レベルの混戦模様

 記録的には森祥紀(自体学)が1分47秒76で1人、突出しているが、残念なことに森は全日本クラスのレースで一度も勝てていない選手。現時点での優勝候補一番手は、今季1分49秒台の関西学生新を3度マークしている笹野浩志(立命大)だ。東アジア大会は1周目が55秒台というペースから、2周目を自らスパートして自己新を出して見せた。昨年の日本選手権優勝者でもある。
 対抗と目されるのが水戸国際で笹野を0.06秒差で破った菅原竜二(新日鉄君津)、笹野・菅原とは別の組だったが水戸で1分49秒60をマークした中野将春(広島経大)。やはり水戸で、笹野に0.23秒差と迫った昨年の日本インカレ優勝者の松本毅(日立電線)ら。
 しかし、どの選手も決定力不足。悪い意味で、混戦模様を呈している。言い換えれば、低レベルのどんぐりの背比べ状態だ。今回の日本選手権で優勝した選手が、その後力を伸ばせば、数年後には「2001年の日本選手権がきっかけだった」と言われるようになるのだが…。
 小野友誠・近野義人の1分46秒台で盛り上がったのは、すでに7年前の1994年。早くなんとかしないと、ファンの関心がなくなってしまいそうな種目である。選手の奮起、関係者のさらなる努力が待たれる種目だ。