日本選手権2日目
予選から
朝原が100 mでA標準突破。過去4年間で最高記録
100 m予選2組で10秒25(−0.2)と、朝原宣治(大阪ガス)が初めて世界選手権A標準(10秒26)を突破した。好調が伝えられる土江寛裕(富士通)に0.05秒差をつけた。
「スタートをちょっと失敗しましたが、後半は悪くなかったです。感覚的にはよかったので、そこそこのタイムは出るかなと思っていました。予選では(タイムを出すのは)なかなか難しいので、いつもは予選用のアップをするのですが、今日は身体が立ち上がるアップをしました。春から試合を練習だと考えてやってきたので、あと1試合という状況は、ある意味集中できました。ある意味、せっぱ詰まったレースをすることも必要かなと感じました」
故障がちだったことがその原因だが、10秒25はなんと、当時の日本記録10秒08を出した97年以降では最高タイム。だが、その点はあまり、朝原の意識にはなかったようだ。
「A標準を切れて、ホッとしています。東アジアの4×100 mRは、万が一バトンがつながらなかったらと思い、大事をとりました。疲れがあったので、落とす練習、落とす練習できました。岐阜で合宿をして、施設も思う存分、使うことができました。明日は3位以内といわず、優勝を狙っていきます」
朝原が合宿した岐阜の施設とは、400 mH日本記録保持者の山崎一彦が今春から勤務する岐阜県ES事業団。そこで世界を経験してきた2人は、どんな話をしたのだろうか。
男子100 mの残りの2組はというと、有力選手が順当に通過している。
1組(+0.8)は安井章泰(スズキ)が10秒48で1位。関東インカレでは故障上がりのため準決勝落ちした小島茂之(早大)は、終盤追い込み10秒50の2位。3組(+1.5)は川畑伸吾(群馬綜合ガードシステム)が10秒30の1位と調子を上げてきた。
400 m山村も予選を通過
男子400 m予選では、関東インカレの4×400 mR、東アジア大会を欠場した山村貴彦(日大)が、どの程度回復しているかに注目が集まった。3組に出場した山村は200 mの通過が22秒6と、いつもほど飛ばしてはいないが、トップで直線に出てくると、同じ学生の佐藤光浩(仙台大)を振り切り、46秒74でフィニッシュ。走れるところを見せた。
なお、予選1組では小坂田淳(大阪ガス)が46秒19、邑木隆二(法大)が46秒29をマークしている。また、予選2組では田端健児(ミズノ)が46秒64で1位。苅部俊二が、その2組で3位。47秒24でプラスで拾われて予選通過を果たした。
ハンマー投6連勝中の室伏&鈴木文が予選通過
水平方向の距離を競うフィールド種目は、予選通過記録を超えれば、その時点で試技を終える。そのため、有力選手は1回しか予選で試技を行わないことが多い。だから、予選通過記録で調子を判断すると、決勝ではまったく違う結果となることも多い。
それを前提に、今日の男女ハンマー投の記録を紹介すると、室伏広治(ミズノ)は76m01、注目の女子は鈴木文(チチヤス)が58m10、室伏由佳(ミズノ)が55m18、綾真澄(中京大)が53m96。いずれも1回しか投げなかったが、7連勝を目指す2選手が、トップ記録で通過を果たした。重ねて言うが、だからどうだと、判断できる材料にはならない。