2001/6/8 日本選手権1日目
三宅と同じ岡山県出身のやり投選手
植徹の挑戦
三宅同様、溝口氏への師事で活路を見いだせるか!?


 三宅貴子(ミキハウス)が5月6日の水戸国際で日本新を投げた際、同じ岡山県出身の旧規格の日本記録(60m52)保持者、松井江美のことが話題になった。三宅は就実高、松井は美作高。そのときに思い出したのが、美作高出身の植徹(富士通)に最近、元気がないことだった。
 植のベスト記録78m32は日本歴代5位。中京大時代の96年に出した記録で、その後は77m94(97年)、77m49(98年)、75m30(99年)、72m28(2000年)と、自己記録を更新できていない。特に、昨年の落ち込みが大きかったため、“元気がない”印象が強いのだろう。
「入社4年目ですが、(自己記録が更新できないのは)ケガが多かったためです。練習を上げていくとケガをして、練習を落として、また上げるとケガをすることの繰り返しでした。三宅先輩とは同じ岡山県人。インターハイ、インカレで勝っている点も、同じです。三宅先輩もケガがあったのに、こうして結果を出されています。近いところで見ていますから、刺激になりますね」
 三宅が男子やり投日本記録保持者の溝口和洋氏に師事しているのは有名だ。三宅の指導のため、中京大に来る機会も増えている。植も半年前から、溝口氏の指導を受けているという。
「アドバイスは、以前から受けていました。一番、勉強になるのは根本的な動きです。投げでもウエイトでも、指先・足先まで神経が行き渡るもので、言われてもすぐできないですね。溝口さんの投げに変えて、まだ日が浅いのですが、ちょっとずつ頭の中で理解できるようになってきました。あとは、体がついてくれば、秋くらいには完成とまでいかなくとも、8割くらいまでは持っていきたいです」
「目標として、当面は80mを頭に置いていますが、それではB標準にもいきません。まずはB標準の80m50をクリアして、A標準の82m50視野に入れてトレーニングをしていきます。ケガはありますが、誰でも抱えていることだと思います。練習自体はこなせているので、あとは感覚の問題だと思います」
 富士通は一般種目の選手にとって、憧れのチーム。確かに入社1,2年目は植も自己記録に迫っていたが、富士通の選手としては物足りない成績が続いている。かつては、やり投界のホープと目されていたが、その座は完全に村上幸史(日大)に奪われている。植の巻き返しは、本人の予定通り今秋に実現するのだろうか。