2001/12/9 全日本実業団対抗女子駅伝
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【先週の“MIP”】 全日本実業団女子駅伝の須磨女高OGたち
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※12/17発行のメルマガ・バージョン23号掲載

 MIPはMost Impressive Performanceの略、日本語に訳せば「最も印象に残ったパフォーマンス」。ただし、ここでは客観性よりも、ライター寺田が見た主観的な判断で選んでいます。今回は、全日本実業団女子駅伝(12月9日)での須磨女高(現須磨学園高・兵庫)OGたちの活躍を選びました。とにかく、圧倒的な数と、質の高さを誇っているのです。

 優勝候補の一角と言われた資生堂。そのアンカーとして登場した加納由理は5番目でタスキを受けた。資生堂とトップで中継した三井住友海上とは、1分16秒差。距離にして約400 m。トラック1周分である。30秒差ならともかく、この差では逆転は難しい。だが、4位に上がればチーム最高順位となる。幸いなことに、3秒前に中継所を出た絶好の目標があった。天満屋である。
(このあとの展開は、以下の記事を読んで読者の皆さん自身で想像してください。)

 くどくどした説明は必要ない。須磨女高OGたちの成績を列記するだけで十分だろう。

1区(6.6km)
 川島真喜子(東海銀行) 区間2位 20分35秒
 藤岡里奈(松下通信)  区間14位 21分02秒
2区(3.3km)
 松尾和美(天満屋)   区間2位 10分27秒
3区(10.0km)
 川島亜希子(東海銀行) 区間6位 32分32秒
 岡本治子(ノーリツ)  区間9位 33分01秒
4区(4.1km)
 安田しのぶ(日本生命) 区間20位 13分37秒
6区(6.595km)
 北山由美子(天満屋)  区間1位 21分23秒
 加納由理(資生堂)   区間5位 21分34秒
 清水麻衣(ラララ)   区間9位 21分49秒

 もしかすると、上記の他にもいるかもしれない。サンデー毎日増刊「女子駅伝2001公式ガイドブック」を参考資料としたが、チームによっては出身大学だけ記入し、高校を明記していないチームがある。来年はぜひ、大卒選手も出身高校を明記してほしい。
 とにもかくにも、出身高校別でチームを作って駅伝をすれば、間違いなく須磨女高が優勝するだろう。

 上記の中で最も有名なのは、松尾(東農短大卒)と岡本の世界選手権代表コンビ。2人が同学年で、岡本が高校時代は長距離ではなく短距離や400 mHを専門としていたことは、今年の陸上界の大きな話題だった。
 川島姉妹と安田(中京大卒)がその3学年下で、立命大を経て資生堂に入社した加納が、その1学年下。6区区間賞の北山はその3学年下で、そして、昨年まで都大路(全国高校駅伝)の主役の1人だった藤岡が北山の1学年下で、卒業1年目ということになる。

 惜しむらくは、堀江知佳(積水化学)が故障で出場できなかったこと。同校唯一のインターハイ3000m優勝者(98年)なのである。

 それはともかく、卒業生がかくも活躍する下地を作る、須磨女高・長谷川重夫先生の指導法の特徴は、どんな点にあるのだろうか。精神的な部分が大きいのか、フィジカル面が大きいのか(たぶん両方だろうが)。文字にするのは簡単ではないだろう。それができるものなら、誰でも駅伝コーチをやっているだろう。が、一度、取材をしてみたい。OG1人1人を、丁寧に取材する方法もあるし。

 ちなみに、2番目に活躍が目立ったのは市船橋高OG、3番目が埼玉栄高OGといったあたり。正確な人数は数えられなかったが、印象としてはこの2校だ。筑紫女高、鶴崎工高、大分女高、浜松日体高、九州国大附高あたりも目立つ数だが、あまり正確には数えていない。