2001/12/8 全日本実業団対抗女子駅伝
これはすごい資料と自画自賛
各チームの特徴が一目瞭然!!
全チーム5000m、1万m、マラソンの記録レベル別人数一覧表
世界選手権・五輪代表者も網羅
駅伝ファン垂涎の一覧表へはここから
明日(12月9日)の全日本実業団対抗女子駅伝のメンバーが発表された。有力チームに欠場者が目立つ大会となったが、白熱した、面白いレースが展開されるのは間違いない。そこで、下のような一覧表を作成してみた。各チームのチーム構成、特徴が一目でわかる優れものである。
5000m16分未満の選手は、つなぎの区間で有効な選手の数。15分40秒未満の選手は、その中でも他チームに差をつけられる選手。
1万m33分未満の選手は、長距離区間をなんとか務める人材。この駅伝ではあまり意味がないかもしれないが、中位以下のチームにとっては重要だ。32分20秒未満の選手はエースとしての走りが期待できる。31分台選手は、上位チームのエースの条件だ。
マラソンの2時間30分未満は、長めの距離の人材ということになるが、資生堂や三井住友海上など、人材豊富なチームではつなぎの区間だったり、補欠に回ることになり、20分台だからなんだ、ということにもなる。
ただ、思ったより2時間20分台の選手を擁するチームが多くない。擁しているチームは、余裕があるというか、(かなりの私見であるが)チームとして成熟度が高いと言えるかもしれない。
留意点としては、“昔の記録”がこの人数に反映しているケースもある。また、三井海上の土佐礼子のように、明らかに1万m31分台の選手と同等か、それ以上の走力のある選手もいる。全体の傾向をはっきりさせるために、便宜的に境界を設けたわけであるから、この表が絶対というか、万能であると思ってはいけない。
なお、記録はすべてサンデー毎日増刊「女子駅伝2001 公式ガイドブック」に掲載されているもので集計した。
●明日の展望も少し織り込みながら、
各チームの特徴をひと口コメント
さて、こうしてみるとやはり、三井住友海上のバランスがいい。32分20秒以内4人に、山本波瑠子が加わる。その中でも渋井陽子がドカーンといけるのだから、とにかく強い。土佐がアキレス腱の故障でメンバーから外れたが、31分台の坂下奈穂美がそこに入ることができる。渋井の爆発度次第では、土佐抜きでも優勝候補の一翼だ。
とにかく人材の宝庫といえるのが資生堂だ。15分台7人は最多だし、弘山とエスタという両輪も間違いなく、他チームのエースを凌ぐ。問題は弘山が言うように、チーム全体がまとまってここに調子を合わせられているかどうか。何人かは、現在の力を反映していないが、数字としてはカウントされている選手もいる。それにしても(繰り返すが)、この物量はすごい。エスタの貧血が完治していれば、優勝候補筆頭かもしれない。
意外と言ったら失礼だが、第一生命の15分台7人を見落としていた。資生堂と並んで最多タイ。東日本3位は伊達ではなかった。山下佐知子監督に脱帽せざるを得ない。ただ、表からもわかるように、エースがいない。3区と5区をなんとかしないと、上位には浮上できない。
積水化学もバランスのいいチーム。長距離区間の高橋尚子、吉田香織といて、5000mユニバーシアード金の上野理恵がいる。しかし、そのうちの2人が欠場では、チームの特徴がまったく出ない。
あさひ銀行は五輪選手の田中めぐみに、岡本由美子が加わって、バランスがよくなった。ナンバーは昨年の順位でつけられるので、「4」以上も狙えることになる。
富士銀行は、15分40秒未満、32分20秒未満(=32分未満)を1人で稼いでいる片岡純子が欠場してしまった。
日本ケミコンは高橋千恵美1人が奮闘しているのがわかる。
東海銀行もバランスがいい。大南姉妹、川島姉妹の2組の双子(それも日本のトップレベル)がいることで、層が厚くなっている。そこに800 m日本選手権優勝者の松島朋子が、どうレースの流れにプラスとなれるか。大南姉妹の復調次第では優勝争いに加わりそう。
スズキが、「やはり」という感じである。前々回3位、前回2位がフロックでないのがよくわかる数字だ。31分台が2人にて、15分台は全体で3番目に多い6人。バランスのいいチームということになる。が、松岡の欠場は、かなり痛い。3区に起用された新人の小川の好調が伝えられているが…。
見逃されがちのデンソーだが、エースの永山育美に加え、田辺、王、小林らが好タイムを出しているので、こういった数字になった。高校時代に全国トップレベルだった里村が復調すれば、優勝候補の一角となる。
駅伝の面白さを見せつけているのがグローバリーだ。15分台は野口みずきと田村育子の2人のみ。しかし、野口の爆発力と、中距離ランナー藤原夕規子の特長を生かして、この数字ながら淡路島を制した。あと数字に現れていないのが、明日1区を務める西村はる美だ。淡路島の3区5.3kmの16分11秒を5kmに換算すると、15分21秒になる。記録に表れていないすごい選手がいるのだ。藤田監督は「淡路島の記録はあてにならない。チームとしても5位に入ったらひっくり返って喜べる」と謙遜しているが、西村の出来次第では、グローバリー独走も考えられる。
日本生命も、橋本と岩本の成長で、この数字以上にバランスがよくなった。ダークホースである。
ちょっと特殊ともいえるのがノーリツだ。世界選手権代表だった岡本治子と小崎まりに加え、上岡正枝と董朝霞の4人が、4人で突出しているのがわかる。15分台はこの4人で、しかも15分40秒以内。33分未満もこの4人で、しかも4人とも32分未満。4人と5番目の選手の差が大きすぎる。そのうちの上岡が欠場するとなると、やや苦しい。チームのバランスとしてはあまりよくないということになる。
デオデオもバランスがいい。前回5位も頷ける。
天満屋は予想された数字。世界選手権・オリンピック代表3人は、三井海上と並んで最多である。
サニックスと九電工の九州2チームは、15分台は5人と多いが、エース不在。沖電気はエースはいるが、かつて脇を固めたメンバーがいなくなって苦しい。岡本幸子もエントリーできず、川上1人ではどうにもできそうにない。
ラララがエース藤川亜希を中心に、好チームなのがわかる。世の流れにあがらえないとはいえ、これからという時の廃部は無念だろう。