2002/1/1
全日本実業団駅伝外伝
その1 コニカ編
2連勝コニカに4組の同一校出身コンビ


 コニカの2連勝で幕を閉じたニューイヤー駅伝。切り札ガソを左アキレス腱の故障で欠いていただけに、なおさら“コニカ強し”を印象づけた。12月28日にアップした「全チーム1万m、マラソンの記録レベル別人数一覧表」から、ガソを欠いてもなお、1万mで28分8秒未満、28分15秒未満の選手数ではコニカが他チームを上回っているのがわかる。五輪マラソン連続メダリストのワイナイナとガソという外国選手の存在が、レースにおける単なる“助っ人”にとどまらず、チーム強化に大きな役割を果たしていることの証左でもあろう。

 今回の優勝メンバーと1万mのベスト記録は以下の通り。
1区 磯松大輔  28分07秒32
2区 松宮隆行  28分02秒82
3区 小沢希久雄 28分40秒80
4区 迎 忠一  28分08秒45
5区 坪田智夫  28分05秒95
6区 松宮祐行  28分03秒43
7区 酒井俊幸  28分22秒48

 面白いことに、出身高校・大学が同じ選手が2人ずついる。
●法大:磯松と坪田
●東洋大:小沢と酒井
●学法石川高(福島):迎と酒井
●花輪高(秋田):松宮祐行と松宮隆行
○ケニア:ワイナイナとガソ

 このチーム構成の特徴と、今大会で見せつけたコニカの強さから、ある仮説を立て、キャプテンの磯松に質問してみた。

Q.同じ高校・チーム出身の選手がもう1人いると、「あいつが頑張っているのなら俺も」と、頑張ることができるのでは?
磯松 それが当てはまるのは松宮たちだけですね。僕と坪田は学年が離れていますし、学法石川の2人は同学年ですが、そんなことはありません。

 メディアの人間が「こうだから、こうなるはず」などと安易に考えるほど、強化の現場は単純ではない、ということのいい例だろう。

「マラソンで日の丸をつけることを目指し、高いレベルの練習をこなしていることが、レベルアップにつながっている」と、酒井勝充監督は記者会見で話したという(別の取材中で共同会見に出席できず)。
 2月の東京国際マラソンにワイナイナ、3月のびわ湖マラソンには松宮兄弟、坪田、迎、酒井、宮本善史と7選手が挑戦する予定でいる。同じ学校出身の選手がどうだから、などと言っている場合ではないのである。