2001/1/25
大阪国際女子マラソン特集
この選手のここに注目
渋井陽子
 初マラソン日本最高記録を破るのが最低の目標で、2時間25分59秒以内で日本人トップとなり、世界選手権に行くのが現実的な目標だ。では、最高の目標は何か? 本人や鈴木監督の言葉の端々を逃さず聞いていると、どうやら、同僚の土佐礼子が昨年の名古屋でマークした2時間24分36秒を破ることと思われる。
 土佐のこの記録は、2度目のマラソンで出した日本最高記録。それまでは、高橋尚子(積水化学)の2時間25分48秒だった。土佐の初マラソンは大学3年時の愛媛マラソン。昨年の名古屋が実質的な初マラソンといってよかった。
 そして、渋井は練習では土佐を上回るタイムで40kmをこなすこともある(陸上競技マガジン2月号参照)。ただ、ここに来て渋井陣営のトーンが、ややダウンしている。その理由は すでにいくつかのメディアで報じられているが、渋井は昆明での合宿中、ジョッグすらほとんどできない日が6日間あった。練習には8日間も影響が出た。一時は欠場も覚悟したという。
 だが、出場に踏み切ったということは…。
<渋井陽子データ>
1979年3月14日生まれ
O型
164cm 48kg
<年次別ベスト>
 3000m  5000m   1万m  ハーフマラソン
1995(高2) 9分45秒04 16分59秒53
 96(高3) 9分11秒37 16分15秒25
 97(実1)  15分55秒50 1時間16分16秒
 98(実2)       15分57秒81 1時間11分14秒
 99(実3)       15分46秒19 32分43秒02 1時間12分22秒
2000(実4)       15分35秒79 31分48秒89 1時間09分31秒
<主要大会成績>
1994(高1)IH北関東大会800 m予選
 95(高2)IH全国大会3000m予選2組10位 全国高校駅伝1区14位
 96(高3)IH全国大会3000m5位 全国高校駅伝1区3位
 97(社1)全日本実業団女子駅伝3区11位
 98(社2)全日本実業団女子駅伝1区5位
 99(社3)東日本実業団1万m2位、全日本実業団女子駅伝3区24位
2000(社4)兵庫リレーカーニバル1万m2位、全日本実業団女子駅伝3区1位

小幡佳代子
 このネタで書くのをためらっていたが、サンスポを見たら小幡選手自身が前向きに発言していたので、書くことにします。
 3月いっぱいで事実上廃部となる営団地下鉄は、選手個々に受け入れ先を探している(同じように3月いっぱいでなくなる雪印は個々で受け入れ先が決まりつつある)のではなく、チーム全体を受け手入れてくれる相手を探しているのだ。もう、そろそろあとがない時期になってきた。今回の大阪で小幡が快走すれば、売り込みに大きなプラス材料となるわけだ。
 これはかなりのプレッシャーになるが、逆に苦しい部分で踏ん張る材料とすることもできる。それに、小幡と大阪の相性は抜群にいい。29歳だが「アテネまで頑張る」という発言からは、走ることをストレスとせず、日常生活にランニングがうまく組み入れられていることを想像させる。
 1月6日に行われた宮崎女子ロード(ハーフマラソン)は1時間11分5秒。「今の段階では100点満点。それまでのマラソン練習のイメージが今イチだったんで。これで安心して大阪に向かえます」というコメントが紙上で伝えられた。
小幡のマラソン全成績
1 2.53.18. 1994 8.28 北海道 7
2 2.43.22. 1995 3.26 信毎 5
3 2.42.53. 1995 8.27 北海道 5
4 2.37.27. 1996 1.28 大阪 21
5 2.37.10. 1996 11.17 東京 9
6 2.32.01. 1997 3.09 名古屋 9
7 2.27.27. 1997 9.28 ベルリン 4
8 2.33.09. 1998 1.25 大阪 12
9 2.28.39. 1998 10.11 シカゴ 4
10 2.26.18. 1999 1.31 大阪 4
11 2.29.11. 1999 8.29 世界選手 8
12 2.25.14. 2000 1.30 大阪 5
13 2.43.10. 2000 4.30 シドニー 4
14 2.31.59. 2000 10.22 シカゴ 5