2002/4/29織田幹雄記念国際
キーワードで全種目をつないで紹介するニュータイプ陸上記事
石田が11秒55の日本歴代5位!!
内藤は13秒60、花岡も6m55の好記録
室伏のシーズン第一戦は78m37
2種目で世界選手権B標準突破
リザルツは広島陸協サイトで
春季サーキット第3戦の織田幹雄記念国際は4月29日、広島広域公園陸上競技場で行われた。12時時点の気象状況は曇り、20.0℃、湿度68%、西の風3.1m。ホームストレートが追い風で、かなり多くのレースが参考記録となった。
そんななか、女子100 m予選3組は追い風1.9mと恵まれ、石田智子(長谷川体育施設)が11秒55の好タイムをマーク。今大会中、“日本歴代”順位としては最高となる日本歴代5位の快走を見せた。自己2番目の記録のため“日本歴代”順位こそつかないが、男子110 mH予選では日本記録保(13秒50)持者の内藤真人(法大)が13秒60のパフォーマンス日本歴代4位タイ。世界選手権B標準(世界選手権標準記録一覧)の13秒62も上回った。
男子ハンマー投日本記録保持者の室伏広治(ミズノ)は今季第一戦に78m37で優勝するとともに、世界選手権B標準突破(室伏にとっては当然で、わざわざ書き記すことでもないのかもしれない)。成田高で室伏の後輩にあたる女子走幅跳の花岡麻帆(オフィス24)は、6m55(+1.3)と自己4番目の記録で、ライバルの池田久美子(福島大)を抑えて優勝。6m82の日本記録をマークした昨年のセカンド記録は6m49だったので、早くもそれを上回った。
女子ハンマー投は、室伏の妹の室伏由佳(ミズノ)が今季60mの大台を突破したことで、日本記録保持者の綾真澄(グローバリー)、前日本記録保持者の鈴木文(チチヤス)とそろった今大会が、60m台選手3人が争う大会となった。優勝は5投目に綾を逆転したディマルコ(豪)で、2位に綾、3位に自身2度目の60mスローを見せた室伏、4位に鈴木という結果に。
鈴木と同様に30歳代の前日本記録保持者である柴田こずえ(東稜T&F)が、3組タイムレースで行われた女子400 mに登場、56秒56で10位(2組3位)となった。53秒21の前日本記録をマークしたのが1997年。その後の年次ベストは98年55秒90、99年57秒22、00年57秒85、01年55秒44と推移している。昨年の55秒44はシーズン終盤の9月に出したもの。取材したわけではないので軽々に言うことはどうかとも思うが、春季サーキットに出場してきたことからも、再度、トップレベルの争いに加わっていくプランなのかもしれない。
前日本記録保持者では、男子棒高跳の小林史明(日体大AC)が室内で好調だった沢野大地(日大)を抑えて優勝。5m50と、日本記録を出した99年以後では最高の記録をクリアした。
綾、内藤、室伏広治、花岡ら昨年日本新をマークした選手が日本人トップを占めていくなか、女子走高跳で昨年1m96の日本記録を出した今井美希(ミズノ)は、太田陽子(ミキハウス)に優勝決定試技の末に敗れた。が、“ライバル対決”は会場を盛り上げた。記録は両選手とも1m88。
“ライバル対決”といえば、女子走幅跳では池田久美子が今ひとつの状態で、盛り上がったとまでは言えなかったが、織田記念看板種目の男子三段跳は筑波大の先輩後輩が火花を散らした。1・3位に外国選手が入ったが、後輩の渡辺容史(筑波大)が3回目の16m42(+1.0)で2位に。杉林孝法(ミキハウス)は後半になってエンジンがかかるパターンで(試合中に技術的な修正ができる選手ともいえる)、6回目に16m35(+1.3)と追い上げたが4位。
男子5000mは高岡寿成(カネボウ)、女子400 mは柿沼和恵(ミズノ)と日本記録保持者が日本人トップ。3月の世界クロカンで4位とシニア過去最高順位を記録した山中美和子(ダイハツ)は女子5000mに優勝。「5000m&1万mで日本記録更新を目指す」とレース後にコメント。渋井陽子(三井住友海上)、福士加代子(ワコール)との14分台&30分台先陣争いへ改めて意欲を口にした。
男子100 mは日本記録保持者・伊東浩司の大学の後輩である宮崎久(東海大)が10秒22(+3.2)で優勝。男子200 mは日本記録保持者・伊東浩司の会社の後輩である伊藤辰哉(富士通)が21秒14(+1.4)で日本人トップの3位。
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