2002/4/10
春季サーキットの主な出場選手決定
室伏兄は織田記念、為末は兵庫の400 mでシーズンイン
各種目のエントリー状況は?
各ブロックの最新トピックも公開


各大会のタイムテーブル、主要出場選手は陸連サイトの記者発表資料で

 4月10日の陸連強化委員会後、春季サーキットの主な出場選手とタイムテーブルが発表された。
 昨年の世界選手権女子マラソン銀メダリストの土佐礼子(三井住友海上)は14日のロンドン・マラソンに出場するが、同じメダリストの室伏広治(男子ハンマー投、ミズノ)は29日の織田幹雄記念国際、為末大(男子400 mH、大阪ガス)は兵庫リレーカーニバルの400 mがシーズン第一戦となる。
 室伏は静岡国際にもエントリーしているが、現在は「出場を検討中で、最初のピークを大阪グランプリ(5月11日)に合わせている」(小山投てき強化部長)という。また、大阪GP後には、キシュ、ゲーチェク(ともにハンガリー)らと7〜10日間のスケジュールで合同練習も行う。
 為末は今季を「オリンピックを視野に入れ、400 mのスピード養成を」(岩崎強化委員)という位置づけにしており、兵庫、静岡と400 mに出場する。沢木強化委員長は「室伏、為末は高い次元での強化を考えている。海外のGPにどんどん挑ませる」とコメント。

■男子短距離
 世界選手権セミファイナリスト・トリオでは、藤本俊之(富士通)は日中対抗室内では4×400 mRも走っていたが、織田・静岡と“本職”の200 mに出場。末續慎吾(東海大)は関東インカレとの兼ね合いもあるのか、サーキットは水戸の100 m1本だけ。朝原宣治(大阪ガス)も水戸の100 mだけなので、昨年同様水戸で、短距離の両雄が激突する。
 400 mは小坂田淳(大阪ガス)、山村貴彦(富士通)の45秒0台コンビがエントリーしていない。
■中距離
 800 mはベストメンバーが群馬・水戸で激突。1500mは佐藤清治(順大)は故障から回復せず、エントリーを見送った。昨年同様、小林史和(NTN)と小林哲也(福田組)中心の展開か。
 なお、低迷する中距離のレベル向上を図るため、6月の日本選手権後、中距離のサーキットシリーズを設けることを、石井中距離部長が明かした。「800 mと1500mのトップ選手を選抜して、記録に挑戦させる計画があります。既存の大会の中に800 m・1500m・1マイル・2000mの種目をバランスよく配し、サーキットを組みたい。5レースは確実にやりたいと思っています」
■長距離
 高岡寿成(カネボウ)は織田の5000mと静岡の1万m、花田勝彦(エスビー食品)、坪田智夫(コニカ)、佐藤敦之(中国電力)が兵庫の1万mと、選手が振り分けられた。徳本一善(日清食品)は海外遠征で1500mの日本記録を狙う予定だが、サーキットは水戸の5000mにエントリー。昨年の世界選手権3000mSC代表の岩水嘉孝(トヨタ自動車)は織田の5000mに出場する。
■ハードル
 400 mHは為末以外は、静岡でトップ選手が勢揃い。河村英昭(スズキ)と千葉佳裕(富士通)は群馬でも対決する。110 mHはベストメンバーが織田と水戸にエントリー。「谷川(聡、ミズノ)は例年にない調子の良さと聞いているが、内藤(真人、法大)はヒザがよくなく、アジア大会を目指して調整中」(岩崎委員)とのこと。
■跳躍
 4種目とも日本のトップ選手たちが顔を揃えるが、伊藤強化委員長の口調は厳しいものだった。
「棒高跳は沢野(大地、日大)が室内で5m50を確実なものとしたし、三段跳は2人(杉林孝法と渡辺容史と思われる)がある程度の記録を出している。走幅跳は8m前後の選手は揃っているが、大きな試合で結果を出せないのが問題点。技術に問題がある。科学委員会とも連携して、大きな試合で能力を出せるようにしたい。走高跳は技術的な部分で詰められていない。昔の選手と比べたら甘さがある。キチッと指導していきたい」
■投てき
 砲丸投は野口安忠、ハンマー投は室伏広治と日本記録保持者に記録更新の期待がかかる。注目の対決は円盤投では畑山茂雄(ゼンリン)と中林将浩の同学年コンビ対決、やり投では村上幸史(スズキ)と植徹(富士通)と宇戸田実也(筑波大)の三つ巴の対決、そしてハンマー投の海老原亘と土井宏昭の70m千葉県出身コンビ対決。円盤投は兵庫と静岡、やり投は宇戸田が水戸に出ないため兵庫、ハンマー投の2番手争いは織田と静岡で繰り広げられる。
■混成
 群馬で十種競技が行われる。近年、この種目を牽引してきた丸小野仁之と安井亨が引退したが、昨年のリスト1位の平田卓朗と米島健志の若手対決がヒートする。注目度では本格復帰の武井壮も高い。

※女子編は来週中(群馬の前)に書ければ掲載しますが…………。

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