2002/5/26 日本選手権展望
エントリー選手&タイムテーブル発表
注目選手の種目選択は?
スケジュールは複数種目を兼ねる選手にどうか?


「日本選手権を10倍楽しむページ」を新設のお知らせ
タイムテーブル


◆短距離
末續は200 m、坂上は100 mに専念
ジュニア2選手のエントリーにも特徴が

 日本選手権(6月7〜9日・金沢市石川県西部緑地公園陸上競技場)のタイムテーブル、エントリー状況が5月23日に発表された。日本一を決める試合だけにどの種目も有力選手が全員、顔を揃えた。とはいえ、兼ね合いから種目を絞った選手もいる。
 末續慎吾(東海大4年)は200 m1本に絞り、朝原宣治(大阪ガス)は100 mのみ。短距離では昨年の世界選手権100 m代表の安井章泰(スズキ)と、同200 m準決勝進出の藤本俊之(富士通)が、故障から回復のメドが立たずエントリーしなかった。同じく世界選手権代表だった400 mの山村貴彦(富士通)も、今季試合に出場していないが、5月上旬時点で「300mまでなら大丈夫」という感触を練習で得ている。残り1カ月でレースに出られる状態に仕上げられるかどうか。
 女子では、今季200 mにも積極的に出場している坂上香織(ミキハウス)だが、大一番では100 m1本に絞ってきた。200 mには100 mH日本記録保持者の金沢イボンヌ(群馬綜合ガードシステム)もエントリーしたが、今季日本リスト1位の花岡麻帆(Office24)は本職の跳躍2種目(走幅跳&三段跳)のみのエントリー。昨年は4×400 mRメンバーとして世界選手権に出場した信岡沙希重(ミズノ)は、今回は100 m&200 mに出場する。
 ジュニア注目選手の藤巻理奈(日体大1年)は、関東インカレは100 m&200 mの2冠となったが、日本選手権は200 m&400 mにエントリー。昨年のインターハイ400 m&400 mH2冠の江口幸子(横浜陸上ク)は400 mH1本に絞った。
 吉田真希子(福島大TC)、日色さおり(東学大)は400 mと400 mHにエントリー。杉森美保(京セラ)は400 m&800 mだ。400 mには、前日本記録保持者の柴田こずえ(東稜T&F)の名前も。

◆中・長距離
徳本は1500m&5000mに出場
高岡は5000m、渋井は1万mに絞ってエントリー

 男子中・長距離では、昨年は1万mに出場した徳本一善(日清食品)が、今年は1500mと5000mにエントリー。5000m&1万m日本記録保持者の高岡寿成(カネボウ)は、直後のヨーロッパ遠征との兼ね合いからか5000mに絞った。今季前半は5000m&1500mに出場予定だった永田宏一郎(旭化成)は、標準記録が突破できず1万mだけにエントリー。
 女子中・長距離で種目選択が注目されたのは、市川良子(テレビ朝日)と田村育子(グローバリー)だった。1500mで国内無敵状態に近い田村は今季、800 mでも2分05秒00(日本歴代12位)を出していたが、1500mのほかには5000m(15分20秒台)にエントリー。一方、水戸国際1万mで31分44秒87と世界選手権A標準突破を果たした市川は、五輪2大会連続出場種目の5000mの他には1500mに出場する(こちらも世界ジュニア入賞経験あり)。
 5000m14分台突入も期待できる渋井陽子(三井住友海上)だが、1万m1本に絞った。既報の通り5月中旬に発熱で練習の中断があり、出場できるかどうか自体も微妙なところ。春の海外マラソン&ハーフマラソンに出場した土佐礼子(三井住友海上)、大南敬美(UFJ銀行)、松岡理恵(天満屋)、野口みずき(グローバリー)も1万mだけにエントリー。学生期待の藤永佳子(筑波大)は2年前の5000m選手権者だが、今回は1万mのみ。同じ九州の川上優子(沖電気)も1万mだけに絞った。
 昨年2冠の岡本治子(ノーリツ)をはじめ弘山晴美(資生堂)、福士加代子(ワコール)、山中美和子(ダイハツ)、小鳥田貴子(デオデオ)らその他の有力選手は、5000m&1万m2種目に出場予定だ。

◆その他
村上、太田は専門種目だけのエントリー

 その他の種目では、村上幸史(スズキ)が男子やり投のみで、昨年日本インカレ2位の円盤投にはエントリーしていない。太田陽子(ミキハウス)も今季三段跳で日本リスト2位につけているが、本職(シドニー五輪11位)の走高跳に絞った。池田久美子(福島大)は昨年優勝の100 mHと学生新で2位となった走幅跳の両種目にエントリー。この2種目を得意とする選手は何人かいるが、馬場貴子(福岡大)は走幅跳に絞った。
 高校生の注目選手では、女子棒高跳の森郁子(滋賀陸協)と七種競技の笠原瑞世(添上高)が出場するが、走幅跳の桝見咲智子(明善高)はエントリーしなかった。

◆タイムテーブル

杉森、吉田に厳しい2日目のインターバル時間

 タイムテーブルはまずまず好評である。話題となりそうな種目が3日間に分散しているし、複数種目を兼ねる選手にも無理がない。
 負担が大きいのは、女子400 mの選手で400 mHか800 mを兼ねる選手だ。400 m決勝が2日目の15時15分スタートなのだが、800 m予選が同日の13時40分、400 mH予選が14時00分から。800 mと兼ねる(800 mでは優勝候補の1人)杉森美保、400 mHと兼ねる吉田真希子、日色さおりらが該当する。3人とも予選は軽く通過できる力があるが、1時間後に400 m決勝というのは厳しい。
 長距離やフィールド種目が2日続くのは、国際大会のシミュレーションにもなるが、さすがに1時間間隔というのは、国際大会にもないことなのだが…。

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