2002/7/21 南部記念
末續が今季初200 mで20秒37、世界選手権A標準突破
「20秒37が出るとは思っていませんでした。今年中に19秒台は出そうですね」

末續のコメント
「予選(20秒80・+2.7)の流し方が悪かったですね。でも、これだけ出れば、いいでしょう。急速に仕上げたにしては。20秒37ですか。いいっすね。20秒5くらいだと思っていましたから。
 (追い風だった)後半は気持ちよくいけましたが、向かい風の前半はカクカクしてしまった感じ。ガツーンといけませんでした。トップスピードに上がるまで時間がかかりすぎ。70mまでにトップに立つくらいのつもりでいきましたが、そこまではいきませんでした。
 でも、今日の風と後半の走りを考えたら、今年中には19秒台は出そうですね。トレーニングもまだスパートしていないというか、400 m系の練習しかしていません。10を全開としたらまだ6くらい。まさか、このタイムが出るとは思っていませんでした」

高野コーチの説明する末續の状態とは?
 日本選手権を足首の故障で欠場した末續慎吾(東海大)はこれまでの実績から、この南部記念で優勝すれば即、アジア大会代表入りというお墨付きを得ていた。
「南部というチャンスをもらい、それに応えられるようにと考えていました。記録云々というのはなくて、胸の差でもいいからトップでゴールしようと話しました。今日の走りを見てもまだ、前半が突っ込んでいけていません。春先はコーナーを回れないくらいスピードが出ていましたが、そういう段階までいっていません」(高野進コーチ)
 高野コーチによると、スパイクを履いた練習ができるようになったのが3週間前。週の前半で追い込んで、後半を軽めにするパターンの練習を3週間続けたという。しかし、本当に追い込めるようになったのは2週間前、練習中の200 mで20秒6台を出すことができたあたりから。南部記念は100 mにもエントリーしていたが、これは申込期限が早かった関係で、200 mを走れるメドが立っていなかったため。コーナーを走ることができなければ、100 mだけでも出場しようと考えていたのである。
「6月いっぱいはほとんど練習していません。グラウンドにも1週間半は出させませんでした。練習はシャトルランとかテンポ走とか、直線でばかりやっていました。レースから逆算してピッタリ間に合わせた感じです。春先に100 mで10秒05を出した頃と比べたら、7割程度。このタイムは上出来過ぎます。彼の場合、もう20秒5以上かかることはありませんね。そういうプログラムができているのだと思います」
 当初は、8月にヨーロッパに長期滞在し、試合にも出場する予定でいたが、それは取りやめ。充電期間にあてることになった。秋の最大の目標は10月のアジア大会。
「彼にとって金メダルは使命ですね。アジア大会では日本新にもチャレンジさせたい。19秒台はできるだけ早くに出させたいですね。アジア大会前にインカレとかもありますから、日本新は目標にはしたいと思います。順調に練習が消化できれば、いくんじゃないでしょうか。アジア大会はもしかすると、4×400 mRを走る可能性もあります。これからは200 m中心のトレーニングになっていきます」

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