2002/7/21 南部記念
内藤は当日のアップ中に欠場を判断
男子110 mHの日本記録(13秒50)保持者で昨年の世界選手権セミファイナリスト、内藤真人(法大)は会場に姿を見せたが、最終的にはレースを欠場した。欠場を決めたのは、会場入りしてウォーミングアップを開始してからだったという。苅部俊二コーチによれば「走ることはできるが、踏み切りで大きな筋肉の使い方をするのがまだ怖い」とのこと。
故障(左のハムストリング)をしたのは日本選手権の1週間前。
「アップシューズで流しをしているときにやってしまいました。スピードを出したわけじゃないのに突然で、“なんでこれで”というくらい。大きなケガは大学1年の全カレで肉離れをして以来です」(内藤)
かねてから陸連は、末續慎吾(東海大)、小坂田淳(大阪ガス)、内藤の3人は南部で優勝さえすれば即、アジア大会代表に追加することを明らかにしていたが、これで内藤の今月中の代表決定はなくなった。代表に選ばれているアジア選手権の結果次第となった。
今季の内藤は、春季サーキットで中国ナンバー2〜3の史冬鵬と1勝1敗の好勝負を展開。中国のナンバーワンは、7月2日のローザンヌGPで13秒12のアジア新を出した劉翔。劉とは昨年の北京ユニバーシアードで、途中まで接戦を展開した(内藤はキューバ選手と接触してコース侵害失格)。劉がアジア選手権に出てくるかどうかは定かではないが、苅部コーチによればライバル意識も強いという。昨年は“世界”が舞台だったが、今年は“アジア”を舞台にした内藤の戦いが注目される。まずは、故障を治すことが先決だが。
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