2002/7/21 南部記念アウトライン
北の大地の好記録一覧
森が16m87の日本新、木田は53秒47の学生新!
太田は日本歴代2位の1m95!


 好記録の先陣を切ったのが、女子砲丸投の市岡寿実(国士舘ク)だった。1投目に16m32と自己記録に2cm差と迫ると、3投目に16m49をプット。日本歴代3位は変わらないものの、日本記録を狙えるポジションに進出した。先輩の豊永陽子(健祥会)と後輩の森千夏(国士大)も16m台を連発し、今日の女子砲丸投は記録が“記録が出るぞ”という雰囲気に盛り上げた。その中から、日本記録(16m84)保持者の森が5投目に16m43まで記録を伸ばすと、6投目に16m87と日本新をマーク。
 トラックでは、この大会で優勝すればアジア大会代表が決まる末續慎吾(東海大)と内藤真人(法大)の学生コンビが、100 mと110 mHを欠場。末續は200 mに出場したが、内藤の代表決定は、アジア選手権次第ということになった。男子100 m予選では土江寛裕(富士通)が、200 m予選では末續が好記録をマークし、決勝への期待が高まった。女子走幅跳でも花岡麻帆(Office24)が最終6回目に6m59(+1.8)の大会新、自己5番目の好記録をマークした。
 女子400 mでは先行する吉田真希子(福島大TC)を、フィニッシュ直前で木田真有(福島大)が逆転。地元選手の北海道新(53秒47)での優勝に場内は盛り上がった。そして、柿沼和恵(ミズノ)が95年にマークした53秒56を破る学生新記録だった。
 文章にすると紹介しきれないくらいなので、好記録をカテゴリー別に紹介すると、以下の通り(必ずしも行われた時間順ではないし、選手は重複するが)。
■日本歴代20位以内
・男子110 mH 田野中 輔(富士通) 13秒74(+1.6)=9位
・男子三段跳 石川和義(筑波大)   16m47(+2.0)=14位
・女子400 m 木田真有(福島大)   53秒47=4位
・女子400 m 湯野真由美(筑波大)  54秒31=20位
・女子走高跳 太田陽子(ミキハウス) 1m95=2位
・女子砲丸投 森 千夏(国士大)   16m87=日本記録
・女子砲丸投 市岡寿実(国士舘ク)  16m49=3位
■今季日本最高
・男子200 m 末續慎吾(東海大)   20秒34(+1.9)
・男子三段跳 杉林孝法(ミキハウス) 16m80(+1.5)
・女子100 mH 金沢イボンヌ
     (群馬綜合ガードシステム) 13秒06(+1.9)
・女子走高跳 太田陽子(ミキハウス) 1m95
■学生新
・女子400 m 木田真有(福島大) 53秒47
・女子砲丸投 森 千夏(国士大) 16m87
■世界選手権A標準
・男子200 m 末續慎吾(東海大)  20秒34(+1.9)
・女子走高跳 太田陽子(ミキハウス)1m95=2位
■世界選手権B標準
・男子100 m 川畑伸吾(群馬綜合ガードシステム)
                        10秒26(+1.6)=予選
・男子400 mH 河村英昭(スズキ)  49秒43
・男子三段跳 杉林孝法(ミキハウス) 16m80(+1.5)
・女子100 mH 金沢イボンヌ
     (群馬綜合ガードシステム) 13秒06(+1.9)
■上位選手で自己5番目以内の記録
・男子200 m 末續慎吾(東海大)   20秒34(+1.9)=自己3番目
・男子三段跳 杉林孝法(ミキハウス) 16m80(+1.5)=自己3番目
・女子5000m 渋井陽子(三井住友海上)15分29秒16=自己2番目
・女子100 mH 金沢イボンヌ
     (群馬綜合ガードシステム) 13秒06(+1.9)=自己4番目
・女子100 mH 森本明子(さとえク) 13秒25(+1.9)=自己2番目
・女子走幅跳 花岡麻帆(Office24)  6m59(+1.8)=自己5番目
※正確に調べ切れていないと思われるが

価値の高いのはやはり、末續と太田のA標準
女子砲丸投は国士大勢、男子三段跳は筑波大勢が上位独占
アジア大会追加代表候補は?


 太田と末續の世界選手権A標準突破は、2人とも新規の突端なので価値があるし、ともに2位選手に大差をつけているので「強いな」と思わせるに十分。B標準の杉林と金沢も同様で、それぞれの種目で初突破。目立たなかったが、田野中の歴代9位も、谷川聡に0.20秒差をつけてのものだけに、さらに記録更新の可能性がありそう。
 女子砲丸投で国士大の現役とOB3選手で上位を独占すれば、男子三段跳では筑波大のOB・現役3選手が上位を独占。しかし、3位の渡辺容史が15m87で、こちらは3人全員が16m台とはいかなかった。
 最優秀選手には男子は末續、女子は森が選出された。
 また、アジア大会代表選手の追加は30日の理事会後に発表される。南部記念の結果で末續の追加代表は決定的との見解が陸連から示されたが、残り枠“7”のうち、何人が決められるかは理事会次第とのこと。ただ、この日の結果から、男子短距離の小坂田淳(大阪ガス)と女子短距離の鈴木亜弓(スズキ)、そして男子三段跳の杉林孝法(ミキハウス)が、有力候補になったといえそうだ。

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