北海道マラソン終了1カ月記念特別記事その2
男子3位の松永は創価大出身
「箱根駅伝予選会では60番くらい」が最高成績

 8月25日の北海道マラソン。37km過ぎに男子の先頭集団は4人に絞られた。招待選手で優勝候補筆頭のカンディエ(ケニア)に初マラソンの山本佑樹(旭化成)、丸山光昭(YKK)に松永伸彦(安川電機)の面々。山本は箱根駅伝で注目された選手で、比較的知名度は高い。その点、丸山と安川に対しては、プレスルームで見ている記者たちも「どんな選手だろう?」という顔つきだった。
 最後はカンディエと山本の一騎打ちからカンディエが優勝したが、2時間15分17秒で3位となった松永も好走。記者会見に呼ばれた。「こういう場にいることに、自分自身驚いています」と前置きをしてから、質問に答えていった。

Q.今の気持ちと、レースを振り返ってみてどうでしょうか。
松永 2回目のマラソンで、今年2月の延岡西日本が初マラソン。2時間16分…確か28秒だったと思います。自己新記録で入賞するのが今日の目標でした。大変、満足しています。思ったよりスローペースで、誰かが仕掛けるまでは集団で我慢して、(仕掛けがあってから)自分も仕掛けていこうと考えていました。思った通りのレースでした。最後、離されたのがちょっと悔しいです。
Q.3位争いを展開しているときの気持ちは?
松永 後ろの状況がわかりませんでしたが、前に追いつく可能性がなくなり、この順位を守ろうと思いました。後ろが来たときは、絶対に守ろうと思いました。
Q.高校時代の戦績は?
松永 インターハイは出ていません。高校は西海学園で長崎県では5000mで優勝できましたが、北九州予選で10位でした。練習では14分40秒台で走ったことがありますが、公認記録は14分59秒台。大学は創価大です。
Q.箱根駅伝予選会の最高成績は?
松永 予選会は4回走って、3年の時が60番くらいで一番よかったですね。記録もそのとき61分10秒くらいでしたが、一番よかった。1万mの学生時代のベストは29分59秒です。今は29分03秒ですね。
Q.全日本実業団駅伝では?
松永 入社5年目で過去2回、走っています。2年目の2000年が3区、2001年は4区で、どちらも区間30番台だったと思います(実際は34位と32位)。
Q.マラソンに取り組んだ動機は?
松永 元々、安川電機に入ったときから考えていました。最初は駅伝を目指しましたが、年齢も25〜26歳になって、いい頃だと。監督からは反対されましたが、暑い方が調子もいいので、思い切って挑戦しました。
Q.次の目標は?
松永 駅伝ですね。11月に九州実業団、そしてニューイヤー駅伝とあります。駅伝で結果を出していないので、このマラソンをステップに駅伝で頑張りたいと思います。

「駅伝をステップに、マラソンを目指す」というコメントはよく聞くが、その逆を聞いてみると、かなり新鮮だった。だが、よくよく考えてみると、実業団長距離選手の多数派なのかもしれない、と、ふと思った。2位の山本も、マラソンの練習がトラックの記録に結びつく、と考えている。トラックの長距離とマラソンは、社会的には別の競技と考えられているように感じられるが、競技の特性を考えると、どう見ても同じ競技である。

北海道マラソンTOP
寺田的陸上競技WEBトップ