2002/5/19 東日本実業団対抗
坂上、11秒76の大会タイにとどまるも
課題の後半に光明


 女子100 mは坂上香織(ミキハウス)が11秒76の大会タイで優勝。今季11秒55(日本歴代5位)と好調の石田智子(長谷川体育施設)とは0.11秒差。同じ前半タイプで、今季、後半の走りに成長が見られる点も同じ。大差とはならなかったが、前半、中盤、後半と坂上がちょっとずつ上であることを示したレースだった。
 11秒78は大会タイとはいえ、坂上にしたら物足りないタイム。だが、「トラックが軟らかかった」(坂上)ことと、向かい風だったことを考えれば、悪いとはいえない。棄権者が出て予選がなくなったこともマイナス材料だった。「予選を走っていたら、トラックに対応する走りに修正ができたかもしれない」(坂上)のだ。
 しかし、今季課題としている後半の走りには、いい感触を得ることができた。
「以前よりは(後半のスピードが)出ていると思います。失速していなかったと思います」
 高野進コーチも次のコメントのように、この日の走りには合格点を出した。
「中盤から上手く乗っていけたと思います。トップ(スピードに)上がってから落ちていません。50〜60mの走りは、課題としている走りに近づいています。ここは日本選手権前の刺激と位置づけて、調整していませんし」
 坂上は100 mで過去2回日本新を出しながら、1回目は1カ月弱、2回目は1年強で記録を更新されている。それでも、彼女のモチベーションが下がることはなかった(その理由は次に記事にする機会に紹介します)。今年の日本選手権は学生時代を過ごした街、金沢で行われる。準地元ともいえる場所で、日本記録奪回がなるだろうか。

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