2026/1/1 ニューイヤー駅伝
【ニューイヤー駅伝展望】優勝候補2チームの監督前日コメント。前回4位のGMOインターネットグループが初Vに意欲。地元SUBARUは前半の先頭争いと後半の布陣に手応え

 2026年最初のスポーツ日本一が決まるニューイヤー駅伝 in ぐんま(第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会。群馬県庁発着の7区間100km)。大会前日の12月31日に前回4位のGMOインターネットグループ・伊藤公一監督と、前回5位のSUBARU・奥谷亘監督にレース展望を取材した。伊藤監督は2区と5区で先頭に出るプランを明かした。奥谷監督は前半3区間の先頭争いと、4区以降の選手の充実ぶりに自信を見せた。監督2人の前日コメントを紹介する。
◇ニューイヤー駅伝(1月1日)の区間と距離、中継所
1区 12.3km 群馬県庁〜高崎市役所
2区 21.9km 高崎市役所〜伊勢崎市役所
3区 15.3km 伊勢崎市役所〜三菱電機群馬工場
4区 7.6km 三菱電機群馬工場〜太田市役所
5区 15.9km 太田市役所〜桐生市役所
6区 11.4km 桐生市役所〜伊勢崎市西久保町
7区 15.6km 伊勢崎市西久保町〜群馬県庁


GMOインターネットグループ・伊藤公一監督「5区の太田には松原橋までにトップをとらえるように話しています」
 1区の吉田祐也は昨年の1区では区間4位でしたが、ハイペースに持ち込み、ラストに強い選手の良さを出させない100点の走りでした。東京世界陸上マラソン後に少し休んでいたため、トラックの10000mを走ることができませんでしたが、いつも通りのマラソン選手としての強さを出せると思います。
 2区の今江勇人(前回2区区間2位)は去年以上に力を付けています。まずは区間賞が目標ですが、区間記録(24年大会の太田智樹・トヨタ自動車の1時間01分40秒)も可能だと思っています。21.0975kmの通過を59分30秒での通過が目安ですが、20km以降もペースを上げていける力があります。2区ではトップに立ちたいです。
 3区の鈴木塁人は昨年区間13位で順位を落としましたが、昨年より30秒は速いと思います。4区にトップでは渡せないかもしれませんが、30秒以内の差で抑えたいですね。
 4区のテモイは前回区間3位のジャコブより、体重も筋肉量も多く、向かい風でも推進力のある走りができます。富津の選考の練習や宮崎合宿で、向かい風にも立ち向かっていける選手であることは確認できています。(外国人選手が嫌がるような)日本人に近いトレーニングもやっています。
 5区の太田蒼生には、10km過ぎの松原橋までにトップをとらえようと話しています。箱根駅伝で見せたように、太田は最初から突っ込めるタイプです。最初の11kmで、全部の力を使うくらいの走りをしてもいい。なるべく早めに先頭に追いついて、中継車の後ろに入りたいと思っています。それでも粘ることができるのが太田です。残りの距離で多少先行されても、先頭のチームにプレッシャーをかけることが必要だと思います。
 6区の嶋津雄大は(昨年の区間賞が良すぎたと本人も言っているが)、再現はできると思います。大学時代はスピードがありませんでしたが、村山紘太コーチがトラック練習で面倒を見ています。5000mの自己記録も更新していますし、競り合いや最後のスプリントでも負けないと思います。
 7区の鶴川正也はどんな展開でタスキを受けても、ラスト勝負に持ち込んで勝ってくれるはず。仮に井川龍人(旭化成)選手と競り合うことになっても、超えないといけない壁だと思っています。九州学院高の先輩ですが、本人も勝つと言っています。
 監督2年目ですが、(基本的な)考え方は何も変えていません。ただ年間のスケジュール、ピーキングの仕方は変えました。昨年は目の前のものに一生懸命になりすぎて、東日本実業団駅伝(初優勝)がピークになってしまい、その後が上がり切りませんでした。今年はニューイヤー駅伝に合わせています。
SUBARU・奥谷亘監督「トップを狙えるオーダーは組めたと思っています」
 1区の三浦龍司には過度なプレッシャーはかけたくないですし、10秒以内で仕事はやってくれたことになるから、と言っています。チームも去年より上に行ける力があるので、三浦のテンションも上がっていると思います。去年も1区で区間3位でしたが、勝手がわからない中で走っていた。今回は1区の走りを明確にイメージできて、力を発揮する準備ができています。
 2区の小林歩は、八王子ロングディスタンス(27分36秒00)以上に調子が上がっています。本人も「ワクワクしている」と話すくらいで、1区の三浦が大きく後れることはないので、自分で(レースを)動かしていく自信もあるのだと思います。こちらから2区をお願いしたわけではなく、本人が志願しての2区です。2区のための練習を自身で組んできました。不安はありませんが、SUBARUはインターナショナル区間以外でトップに立ったことがありません。チャレンジャーとしてがんがん前に行って、小林で前に行きたいと思います。
 3区の清水歓太は昨年まで最長区間で、使命感で走っていた部分がありました。しのぐ最長区間でしたが、今年は距離を1つ下げて、今度は力を発揮してやろうという気概を持っています。マラソンに照準を合わせてトレーニングをしているので、10000mで27分31秒27を出した頃より長い距離にシフトしていますが、3区にはコブ(起伏)もあります。中間のコブが終わって粘るところは、以前より力が出せるはずです。小林である程度前に行けたら、清水が後ろから追いつかれたとしても、楽に食い下がることができると思います。1、2、3区でトップ争いをしたいですね。
 4区のエマニエルは1500mが専門だった選手で体はがっちり型ですが、腕をしっかり振ることができて向かい風の走りに期待を持てます。真面目で日本にフィットしようとしている選手。夏に走り込みをして、体が締まって秋からレースに出るたびに記録が伸びている。東日本実業団駅伝は混成チームで、後方で単独走になりましたが区間4位(区間賞と5秒差)でした。上位の流れで走れば、もっと走れると思います。
 “山の妖精”の山本唯翔を上りがある5区に起用できました。上りでは人に合わせず攻めろ、と言いました。本人もガンガン行くと言っています。終盤の叩き合いの前に、他の選手を削る局面を作れる選手です。11月に10000mで27分台(27分58秒05)に入りましたが、トラックで目立てる選手ではありません。それでもコツコツ努力を続けて、穴もなく練習を積み重ねました。あとはブレイクスルーするだけのところに来ています。
 6区の長田駿佑はケガなく練習が継続できています。トラックの記録はなかなか出せませんが、ロードでは我々が思っている以上の走りをします。東海大時代にも全日本大学駅伝に1回だけ出て、区間賞を取っているんです。地味に走る選手ですね。6区はすでに2回走ってコースも熟知しています。今回は6区が勝敗を左右する区間になるかもしれません。目立つチャンスだと思います。
 7区の並木寧音は前回も7区で、練習が滞った時期もあったんですが、前の1チームにまず追いついて突き放すと、2つめのチームにも追いついて、最後は同タイムで競り勝ちました。駅伝力と勝負度胸を持っている選手だと思います。スピードもついて、向かい風にも強い。ウチのチームのアドバンテージだと思っています。
 目標は3位にしましたが、優勝争いをしないと3位は取れません。5区以降でトップに立てるかどうかは、実際のところはやってみないとわからない。でも、トップを狙えるオーダーは組めたと思っています。


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