2017/3/4 びわ湖マラソン2017前日会見
福岡日本人2位の園田が「2時間06分35秒」を目標に設定
佐々木と石川のリオ五輪代表コンビは自己記録を“最低”でも
学生の一色は控えめの目標設定ながら、言葉の端々に意識の高さも
Q.目標タイムと順位は? それを実現するためにポイントとなることは?
佐々木悟 タイムは自己記録(2時間08分56秒)を更新できるようにしたい。(ポイントは)いつも心の中に秘めて言わないようにしていますが、力を出し切れるように意識していきたい。レース中の動きも重要になると思うので、最初の給水で他の選手たちの取り方を見て、自分の位置取りを決め、余分な力を使わないようにして後半に備えます。
石川末廣 自己記録(2時間09分10秒)は最低でも更新したい。さらには、ずっと目標にしている2時間8分切りも成し遂げたいですね。30kmまでペースメーカーがいるので、いなくなってからの走りがポイントになる。昨年は38kmで仕掛けて日本人1位を走りましたが、最後に抜かれてしまいました。仕掛けどころが早くなりすぎないように注意して、日本人トップを目指したい。
園田隼 タイムは、ペースメーカーの方が15分00秒ペースで押してくれるので、2時間06分35秒を目標にしています。30kmまでペースメーカーに付いていき、残り12kmを自分の力で押していく、上げていく走りをしたい。
一色恭志 目標タイムは2時間10分切りです。自分の中ではそこまでマラソンの力があるとは思っていません。ここにいらっしゃる3名の方も強いので、その方たちの力を借りて、チャンスがあれば2時間9分台、8分台を目指し、ひたすら粘る走りをしたい。昨年の東京マラソンでも、30km以降は動きが止まってしまいました。そこの対策を特に何かやって来たわけではありませんが、昨年よりもスタミナはついてきています。強い選手たちについて行きたい。
Q.ここまでの練習の距離数や期間などを教えてください。
佐々木 例年通りですが、いつもは断っていた延岡マラソンのペースメーカーを、小島忠幸コーチと相談して引き受けました。明日よりも遅いペースでしたが、比較的余裕を持ってこなして、良い感覚をつかむことができたと思います。これまでは人を引っ張るとか嫌だったのですが、今回はそういうこともやってきました。体調管理、筋力強化は普段通りです。
石川 1月に体調を崩して計画通りにできなかったのですが、特に変わったことはしていません。1月の終わりから2月にかけて、練習をやるたびに上がってきました。いつも通りの準備をしてきました。
園田 1〜2月の練習は変えず、しっかり距離を踏んで、あとは(最後に行う)20kmをどうしっかりと走るかを見据えてやってきました。
一色 2月5日に神奈川ハーフを走り、6日に引っ越しをして、(4月に入社する)GMOアスリーツで1カ月間練習してきました。やってきたことは変わっていませんが、30kmでも20kmでも、大学よりも速いペースで行いました。20kmを1人で、60分30秒くらいでやったりしました。疲労をためながらも、この1週間でしっかり調整してきました。大学時代との違いは、朝練習の集合時間が変わったので5時起きが5時半起きになったことくらいです。
Q.一色選手は隣にいる3人に対し、どのような思いを持たれていますか。また、3人は一色選手に対してどういう気持ちを持っていますか。
一色 ここにいるだけでも緊張しています。テレビで見てきた強い選手というイメージの方々で、正直、勝てるイメージはありません。この1年、それほどマラソン練習をやってきたわけではありませんし。勝ってやる、という気持ちもゼロではありませんが、この人たちにひたすらついていく、という挑戦の仕方になると思います。
佐々木 自分は性格上、自分のことに集中した方が結果がいい。今回も相手のことは考えません。自分の走りに専念します
石川 一色君のことは逆に、箱根駅伝や全日本大学駅伝をテレビで見て、強い選手だな、と思っていますし、昨年の東京マラソンでも結果を出したところをテレビで見ています。ただ、僕も人のことを意識すると良いことがないので、そんなに意識はしませんが、ライバルと思って走ります。
園田 僕も周りに意識が行くと、そちらが気になってしまいますので、自分のことをまずは考えて走りたい。その上で、この選手はどうなんだろうという点は、見ていきたい。
「設楽選手が前半あの走りをして、正直すごいな、と思いました。井上選手の2時間08分22秒が選考のラインになる」(石川)
Q.先週の東京マラソンの設楽悠太選手、井上大仁選手の走りを見てどう思ったか。
佐々木 練習が入っていたのでちょこちょこしか見られませんでしたが、自分も1週間後にマラソンを走るので、自分がやってきたことをどう出すかを考えつつ、刺激をもらいました。
石川 チームメイトの設楽選手が前半あの走りをして、正直すごいな、と思いました。僕もこの大会でロンドン世界陸上の代表を狙うので、井上選手の2時間08分22秒が選考のラインになると思って見ていましたね。日本人トップで2時間8分台を出さないと、世界陸上はダメなのかな、と。
園田 若い人たちが良いタイムを出し、若い選手には負けたくない、という気持ちが強くなりました。
一色 現地で10km過ぎ、20km過ぎ、32km、39kmで観戦しました(青学大選手たちの応援)。キプサング選手も井上選手も設楽選手も、格好良いな、とファン目線になっていましたね。自分も1週間後にはびわ湖を走る、この人たちとも(いずれは)戦っていかないといけない、と思うとドキドキ感もありました。自分でもあんな競っていくレースができたら一番良いのですが、1年間を通してそこまで練習ができていません。来年は東京に出たいと思っていますが、あのような走りができたら一番良いと思いました。
「リオ五輪では後半上げていく選手もいましたし、心拍数を見ながら走っている選手もいました」(佐々木)
「リオ五輪は経験したことのない上げ下げでした。海外のレースに出て、ペースの上げ下げを経験していくしかない」(石川)
Q.リオ五輪を経験したお2人は、どういうところができないと戦えない、と感じましたか。
佐々木 サポート体制も万全で、すごく良い準備ができた中でリオに入りました。オリンピックなので他の競技の選手とも一緒でしたが、皆さんリラックスしつつもピリピリした雰囲気を感じました。足りないところはいっぱい感じたのですが、目標からぶれずにやっていかないといけないことを一番に感じました。マラソン選手にも色々なタイプがいて、後半上げていく選手もいましたし、心拍数を見ながら走っている選手もいました。そういった選手たちを見て、勉強になりました。
石川 レース中のペースの上げ下げが、経験したことのない上げ下げでした。海外のレースに出て、ペースの上げ下げを経験していくしかないと感じました。練習のなかで取り入れていくことももちろん大切ですが、国内で練習するよりも、海外に移動をしてレースをする中で経験してそういうところに臨まないと、特別な舞台で力を出すことはできないのかな、と。
Q.ご自身の強みはどこだと思っていますか。また、2時間4〜5分を持つアフリカ勢に、どう戦おうと思っていますか。
佐々木 強みは、ケガをしないことが一番だと思います。練習を継続することをいつも心がけています。2時間4〜5分の選手には、今の自分の記録では簡単に立ち向かえません。ペースメーカーがつくので余裕をもって走り、最後にどうしたら力を出し切れるかを考えたい。
石川 37歳まで続けて来た経験と、長距離選手は走りの量も質も大切ですが、走る練習以外に割いている時間が多いことは、自信にしています。その2つは強みだと思っています。2時間4〜5分で走る力を今は持っていませんが、日本人特有の粘りを出せば戦える。それを発揮していきたい。
園田 故障をしない体ということが、ひとつあると思います。継続して練習ができています。2時間4〜5分台にもタイム負けしないで、1人の選手として、1対1で戦ってい気持ちを持っています。
一色 強みと聞かれて考えましたが、それが4年間わからなかったので駅伝の区間賞や(インカレの)タイトルが取れなかったのだと思います。これといって突出している部分はないと感じています。故障しにくい体だとは思いますが…。ただ、経験がそれほどないので、2時間4〜5分台の選手に対しても変な先入観を持たず、ノビノビと向かっていけます。
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