2016/6/5 布勢スプリント2016
山縣が10秒06の日本歴代5位、向かい風では最高記録
第1レースで桐生に後れるも第2レースで前半の走りを修正
テレビ・インタビュー
「10秒06の次は9秒台だと思う」
「本当にうれしいです。自己新も4年ぶり。今シーズンは調子が良くここまで来られましたが、メンバーと条件に恵まれて、この記録を出すことができました。第1レースが終わった後も、自分が一番強いと言い聞かせ、第2レースで勝つことができた。日本選手権はもっと良いレースができるし、自己記録ももっと縮められると思います。(向かい風の)10秒06の次は9秒台だと思うので、しっかり狙って行く。オリンピックは4年前は準決勝で終わっています。リオでは準決勝で9秒台を出し、ファイナルに残っていきたい」
カコミ取材時一問一答
「前半で1本目よりもしっかりとスピードを出せたことで、中盤の加速がより上手くできた」
Q.途中で差せると思ったのはトップスピードへの自信?
山縣亮太 いえ、終盤の減速区間で僕が自信を持っているというか、あまり落ちないのが自分の強みだと思っていて、1次レースでは(序盤で)差が開いていると思ってしまって、焦って硬くなってしまいました。2次レースでは(序盤で)そこまで差を感じず、落ち着いて走れば並べるか、差せるか、くらいに思って、その通りに走ることができたのはよかったですね。
Q.東日本実業団の10秒08のときは、空回りする感覚があると言っていたが?
山縣 それは、今日はなかったですね。向かい風だったからかもしれません。
Q.東日本実業団の……(質問不詳)
山縣 今回は前に桐生君がいたので、意識して硬くなることはなかったにしても、前にいる人の存在を少し意識して後半を走っていました。感覚が違いました。
Q.ゴールデングランプリ川崎のときに話していた乗り込みという部分は?
山縣 今日もスタートでバランスを崩しているところは同じです。前半はある程度前にかけないとスピードに乗らず、持ち味である中盤からの加速もできなくなってしまいます。ゴールデングランプリと似ているといえば、似ていますね。
Q.中盤以降で差し切れた要因は?
山縣 2本目は前半にスピードを出すことに修正点を置いて取り組んでいたので、そこで1本目よりもしっかりとスピードを出せたことで、中盤の加速がより上手くできたのかな、と感じています。
Q.スタートで力を使わないのが持ち味では?
山縣 スピードを出すといっても、力むこととは違います。前に体重をかけて自然に、力を使わないで前に進む走りに2本目は取り組みました。
Q.当初から、タイムは2本目で狙おうと考えていた?
山縣 いえ、1本目から狙っていました。正直、ここ2〜3日調子が良くなくて、今思えばただの疲れだったと思うのですが、それで走りのイメージを変えて臨んでみました。それで1本目は、前半の持ち味をなくしてしまったのかな、と判断して、その反省で2本目は元に戻して臨みました。
Q.それはスタートの部分?
山縣 スタートの部分です。
「力を抜くところは抜けていて、出すとこは出せている。抜くことを覚えたことが好調の要因」
「10秒0台の彼に勝てたことがうれしいです」
Q.改めて今季の、織田記念以降の好調の理由を分析すると?
山縣 走りのイメージが昨年までのシーズンと大きく異なっています。具体的には力を抜くところは抜けていて、出すとこは出せている。抜くことを覚えたことが好調の要因だと思います。
Q.主にどの区間で?
山縣 全部、抜いています。流して適当に走っている、ということではなく、体の中心に近いところから力を出して、それ以外のこういったところ(末端部分)は力を抜く意識で、上手く走るようにしています。
Q.自重とか慣性を利用して?
山縣 そう、ですね。
Q.タイムと勝ったことのどちらがうれしいですか?
山縣 1本目に負けたことを受けて2本目に勝てたことが、うれしいですね。タイムはついてきてくれた。桐生君も決して悪いタイムではないし、今回は10秒0台の彼に勝てたことがうれしいです。
Q.追い風だったら9秒台も出せた?
山縣 それは、運が悪かった、としか言いようがないですね。
Q.自分のなかでは***********?
山縣 今日は1本目も2本目もタイムを狙いに行きましたが、これだけ差が生じました。(その過程で)タイムを出すためにどういう意識が必要か、明確になったと思います。それを踏まえて練習し、ケガに気をつければ、日本選手権はもっと良いレースができます。風が追えばいいのですが。
Q.タイムを出せる明確な方法とは…
山縣 スタートをちょっといじって1本目はタイムを落としました。それをいじらず、元のスタートに戻してタイムを出すことができた。(そのためにも)しっかり疲れを抜くことですね。この後は出力の高い、質の高い練習を積んでいけば、必要な部分に刺激が入り、不必要な部分には刺激が入らず、要らない部分は(筋肉や余分な力の入り方が)落ちていく。そういう練習を重ねれば、日本選手権は体的にも技術的にも、良いコンディションで臨めると思います。
「ちゃんと自分の走りさえすれば(勝てる)、という自信が体の奥底にあれば、硬くならずにすむ」
Q.タイム的にはまだ、桐生選手が上ですが…。
山縣 桐生君は今シーズンここまで、確実に調子を上げてきています。コメント聞いていても調子は悪くないと話していますし、彼もどんどん上がってきている。次からも自分も気を引き締めて臨んでいかないと、彼には勝てないと感じています。
Q.それは望むところですか?
山縣 自分もしっかりとベストコンディションで臨み、向こうもベストコンディションで臨んで相まみえて、それで自分が勝つ。そう思っていますし、オリンピック代表になれば、その先も続いていきます。
Q.2人の勝負は2013年のモスクワ世界陸上のシーズンの、日本選手権がヒートアップした。
山縣 あの年は日本選手権は勝ったといっても、シーズンを通してあまりよくありませんでした。トータルで勝てているとは思えなかった。今はあのときより、僕自身確実に上がっているし、(2人とも)グレードアップしている。(2013年よりも)良い勝負になると思っています。
Q.織田記念の前は、桐生選手と一緒だと硬くなるかもしれないと話していましたが、川崎、布勢と勝って、感覚的にも変わってきている?
山縣 そうですね。精神的に1つリラックスして臨めると思うので。ちゃんと自分の走りさえすれば(勝てる)、という自信が体の奥底にあれば、硬くならずにすみます。今日も自分の走りに集中していましたが、その走りができれば大丈夫と自信が持てました。
Q.結果として4年ぶりの自己新も自信になった?
山縣 はい。自己新は大きいですね。出せてない間は、********。追い風でも向かい風でも、10秒07(2012年ロンドン五輪予選)を超えたいと思っていました。*******「また08か」と思いました。経験上、速報よりも正式タイムが良くなることはないので、06になってうれしかったですね。
Q.日本選手権への意気込みを。
山縣 今日よりもさらに良いレースをしたいですね。ケンブリッジ選手ら、他の強い選手も出てくる。見ている方々にも楽しんでいただけるような、それでレベルの高いレースをして、9秒台を狙ったレースをできればいいな、と思います。
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