2016/3/6 びわ湖マラソン
マラソン3回目の北島が日本人トップで
リオ五輪代表入り有力
レース後の一問一答を再現
「いつも通りの走りをした結果、この成績がついてきた」
Q.今の気持ちは?
北島寿典 正直、ここまでやれると思っていたわけではありません。2回のマラソンで2回優勝を経験していましたが、優勝目指して走ったわけではありませんでした。今日も一番は自分の走りをして、最後まであきらめない走りをしようと。最初から42.195kmをイメージして、徐々に(先行した選手が)落ちてくることも想定して、じっくりと行きました。いつも通りの走りをした結果、この成績がついてきた。すごく満足しています。
北島のマラソン全成績
氏名 |
回数 |
年 |
月日 |
大会 |
順位 |
日本人順位 |
記 録 |
北島 寿典 |
1 |
2015 |
2.08 |
延岡西日本 |
1 |
1 |
2.12.28. |
北島 寿典 |
2 |
2015 |
9.20 |
シドニー |
1 |
1 |
2.12.44. |
北島 寿典 |
3 |
2016 |
3.06 |
びわ湖 |
2 |
1 |
2.09.16. |
「最後1〜2kmはアドレナリンが出て、痛みを感じずに走ることができた」
Q.終盤、差し込みがあったようですが。
北島 ペースメーカーが1人になった25kmからペースが落ちてしまいましたが、かなり余裕がありました。30km手前の下りで、仕掛けたわけではありませんが、五輪選考ですし、余裕度もあったのでペースメーカーを無視して(数人で)行きました。そのときは良かったのですが、35kmを過ぎて差し込みが来て、脇腹に痛みが出てしまった。体に余力がある自覚のなかでそれが出たので、気持ちで負けそうになりましたが、37km、38kmになったときに表示が残り5km、残り4kmと切り換わって、意地でも走ってやると気持ちも切り換えられました。痛みだけ我慢すれば走れる感覚はあったので、気持ちで押し切りました。最後1〜2kmはアドレナリンが出て、痛みを感じずに走ることができた感じです。
Q.石川選手を抜いたところは?
北島 勝負どころなのにすごく差し込みが来ていました。痛みが落ち着いたと思ったらペースを上げられて…。抜いたときは、自分が元気になったときにすぐ近くを石川さんが走っていて、「このまま行っちゃえ」という気持ちで行きました。ゴールだけを意識して、自分を盛り上げて走ることができました。ここまで来たらもう、下手な勝負は意識せず、抜き去って行こうと思いました。
「タイムも順位も、現状ではまあ満足しています」
Q.順位とタイムについての感想は?
北島 途中の通過タイムが良かったし、余力もあったので、2時間8分台も出るのかな、と思いました。ペースメーカーが落ちなければ、8分台を狙えましたね。それでも大幅な自己記録更新ですし、サブテンという1つの壁を超えることができました。もっと上に行きたい気持ちもありますが、現状としては満足です。順位も、最後に外国選手1人を抜いて2位に上がりました。ここまで冗談で言っていた勝率10割は維持できませんでしたが、日本人1位はまあ、満足しています。
Q.レースプランは?
北島 ペースメーカーのペースを聞いていたので、それに落ち着いてついて行くことだけを考えていました。何kmで仕掛けよう、とか考えず、仕掛けるときが来たら仕掛けよう、と。ただ、人数がなかなか絞られず、イライラまではしませんでしたが、20kmではもう少し絞られるだろう、とイメージしていました。ペースメーカーが外れるまでに少ない人数での勝負になるだろうと、ザックリ考えていたのですが。
「寒いよりも暑い方が好きなので…とオリンピックを意識して」
Q.気温は高いと感じましたか?
北島 僕は寒いよりも暑い方が好きで、そんなに気になりませんでした。夏のレースというわけではないので、19℃なら特に何も感じません。汗っかきなので、良い意味で涼しくなって良かったのかも。と、オリンピックを意識して発言させてもらいました。
Q.今後のプランは?
北島 オリンピックに出るために今回走り、結果を残すことができました。是非もう1回、大舞台でマラソンを走りたい。マラソンを始めたのは去年の2月で30歳のとき。遅咲きと言われましたが、ここまで1年間、トントン拍子で一気に来た自覚はあります。それなら、この勢いでオリンピックのメダルを目指して勝負したい。
「マラソン練習は土台と技術を別々にやっています」
Q.独自のマラソン練習と聞いています。40km走もしないと。マラソン練習に対する考え方は?
北島 初めてマラソンをしたときから今のスタイルを継続しています。40km走を何本走ったといっても、みんながやっているのはレースペースじゃありません。40km走などをやったことをマラソンにぶつけるのでなく、それよりも土台と技術を別々にやっています。2時間走などでしっかりと土台を作り、それを1カ月から2カ月かけて積み上げて行きます。それができた段階で技術的な部分を、試合の意識で15km走やインターバルで加えていきます。そのメニューはトラックでやっていたものなので、研きをかけて行うことができる。トータルで3カ月というのは、期間でいえば他の選手のマラソン練習と同じです。きちっとしたマラソン練習ではなく、何個かに分解して1個1個丁寧にクリアしていくやり方です。
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