2015/3/30 男子短距離陣がテキサスリレーから帰国
高瀬は、桐生の9秒87w直後に20秒09wの好タイム
「燃えましたね、(桐生の)あの記録で。今度はボクがやり返す番」
レース内容的にも、技術的にも大きな収穫
桐生祥秀(東洋大2年)の9秒87(+3.3)でヒートアップした大会だが(日本サイドの視点では)、男子200mで20秒09(+4.5)で2位となった高瀬慧(富士通)も、大きな収穫を得て帰国した。
レースの順番でいうと4×100 mR、100 m、200mの順だった。4×100 mR(日本はバトンパスが上手くいかずに38秒84)と100 mはレース間隔が短く、「大変そう」だと高瀬が思っていたら、その100 mで桐生が9秒台を出した。
「すごい衝撃を受けました。風速計は見ていませんでしたが、電光掲示に『9』と出て、あれ桐生じゃないか、って。マジか? と思ったのですが、9秒台を出されたからには19秒台で返したい。そう思って200mに臨みました」
良い緊張感に包まれて走ったレースは、2013年ユニバーシアード100 m&200m2冠で、モスクワ世界陸上200mでも6位入賞したAnaso Jobodwana(南アフリカ)には0.22秒差をつけられたが、自己記録が20秒1台の米国2選手らを抑えて2位に。「外国選手と渡り合うことができた」と、レース展開的に手応え十分だった様子。
「これまでコーナーを抜けたところで外国人選手に離されていましたが、そこで我慢してついて行くことができました。そこで我慢できるのとできないのでは、全然レース展開も違ってきますしタイムも変わってくる。冬期練習の中でも、一番取り組んできた部分です。技術的にもかなり、やりたい動きに近くなってきました。シーズンインとしてもすごく良かった。今シーズンが楽しみになりました。練習でも手応えを感じられるタイムで走ってきています。イメージはできているので、しっかりと狙って行きたい」
技術的な手応えがあったからではあるが、高瀬の話からは、桐生の記録に触発されたことによる精神的な高揚が明確に伝わってきた。性格的には控えめな選手で、代表デビューが年齢的に遅かったこともあり、言葉も慎重に選んでいた選手。それが昨年の織田記念100
m優勝や、アジア大会100 m銅メダルあたりから、短距離界のリーダーと指名されても腰が引けることがなくなってきた。
「燃えましたね、(桐生の)あの記録で。自分も(9秒台と19秒台を)出したいという気持ちと、負けたくないという気持ちが、またさらに大きくなりました。そう思えることはすごく幸せなこと。一緒に切磋琢磨して、今度はボクがやり返す番。そういう気持ちでやっていきます」
追い風が強く公認記録は出なかったテキサスリレーだが、日本短距離界にも強い追い風となった大会だった。
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