2015/5/3 静岡国際
高校で自己記録更新に3年かかった津田が、学生1カ月で2cmの自己新
「1m81はもう、跳んで当然です。秋には1m92くらいまで」
津田シェリアイ(東大阪大)が1m81の自己新で、同じく自己新の相馬由佳(愛知教大)を同記録ながら抑えた。環境の変化に戸惑う選手も多いが、学生になって1カ月で自己記録を2cm更新してみせた。
「1m81はもう、跳んで当然です。1m84をちゃんと跳びたかった。(どの高さも1回目でクリアしていった集中力は)今日は絶対に優勝すると決めていましたから。試合前から1回で跳んでいくイメージを作っていました。(1m84の1回目は)高さが出ていましたが、中間マークのチェックを失敗してしまいました」
津田は中学時代に1m77を跳んで将来を期待された選手。しかし、その記録を1m79と更新したのは、高校3年の日本ジュニア。3年かかった。その理由は、踏切脚を左から右に変えたことが大きい(他にもあるのかもしれないが)。
津田シェリアイの年次別ベスト記録(陸上競技RANKINGから抜粋)
15/05/03 大学1年 1.81
14/10/03 高校3年 1.79
13/04/29 高校2年 1.69
12/04/29 高校1年 1.74
11/06/04 中学3年 1.77
10/10/11 中学2年 1.60
「中1から走高跳を始めましたが、どちらの踏切が強いかわかりませんでした。何をやっても右の方が強いとわかってきたのですが、高校1年生のシーズン中に変更することは見送りました。高校1年の冬からですから、まだ3年経っていません」
高校2年時のベストは1m69と落ち込んだ。3年時のインターハイで1m75まで記録を上げてきたが、3位にとどまった。
10月の日本ジュニアは1m76の後に1m79に挑戦し、2回失敗と追い込まれたが、3回目に3年ぶりの自己新に成功して優勝している。
「やっと自己新を跳ぶことができましたが、自分はもっと跳べると思っていました。1m79で高校が終わってしまって、悔しかったです」
ともすると目的意識が希薄になってしまう高校3年の冬期練習に、しっかりと取り組めたのはその悔しさがあったからかもしれない。高校では3年かかった自己記録更新を、大学ではわずか1カ月でやってみせた。
身長を問われると「178.9cm」と0.1cm単位で口にした。
「世界陸上の標準は高いので今回はアジア選手権狙いでしたが、秋には1m92くらいまで跳びたいですね」
飛躍への足場固めができている津田の言葉には、説得力がある。
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