2015/9/12 日本インカレ
見どころA
110 mHは“たたき上げ”札場の地元Vなるか!?
1年生の高校記録保持者・古谷、元混成選手の洛南高OB・田中にも注目
男子110 mHでは前回優勝者で昨年のアジア大会代表の増野元太(国武大4年)と、今年の日本選手権優勝の高山峻野(明大3年)がともに欠場。2組1位(13秒92・+0.8)の札場大輝(国武大4年)と3組1位(13秒98・+0.3)の古谷拓夢(早大1年)、2組2位(13秒93)の田中新也(筑波大4年)の3人が予選で13秒台をマークした。
東大阪大柏原高出身の札場が、地元優勝に意欲的だという。前回の日本インカレ2位で、今年の関東インカレも増野に続いて2位。国武大ワンツーを連続で達成した。
札場はスタートから1台目はそれほど速くないが、「インターバルでスピードを乗せていくタイプ」(桜井健一コーチ)で、先行型の選手を後半で追い上げる。昨年の日本インカレは10台目で増野に並びかけた。
桜井コーチは「優勝しかないでしょう。増野が出ないわけですから、去年2位のプライドをもって臨んでほしい」と期待する。
高校記録保持者の古谷は関東インカレは国武大コンビに次ぐ3位だったが、日本選手権では高山と同タイムの2位(予選で13秒79のジュニア日本最高)。増野を破っている。
大会初日から男女400 mの北川貴理(順大1年)と青山聖佳(大阪成蹊大1年)、3000mSCの塩尻和也(順大1年)と1年生優勝が続いている流れに乗る可能性がある。
田中は筑波大入学後の活躍こそないが、高校3年時には八種競技で高校新をマークした。110 mHは日本ジュニア選手権で、インターハイ優勝の増野を抑えて全国タイトルを取っている。
110 mH日本記録保持者でもある谷川コーチは、田中の武器として足首の強さを挙げる。「内藤(真人)なみに強い」と、かつて日本記録を応酬し合ったライバルを引き合いに出した。
札場は高校3年時のインターハイ、日本ジュニアともに準決勝止まりの選手だったが、増野という同学年のスター選手に必死で食らいついて成長した。転機は大学2年時で、早生まれのチャンスを生かして日本ジュニア選手権で4位に。初の全国大会入賞を果たした。
桜井コーチは「1年のときはケガばかりでしたが、センスは持っているので、競技に取り組む意識を2年の夏頃から変えて成長したと思います。トレーニングの意味も深く理解できるようになった」と言う。
さらに、3年生のシーズンにスタートから1台目までの歩数を8歩から7歩に変更した。
「身長が高く、元々ストライドが大きい走りだったので、8歩だと窮屈だったんです。今もそれほど速くはありませんが、7歩にして安定してきました。普通にスタートが切られれば、後半で良い形に持って行けると思います」(桜井コーチ)
思いの強さでは、陸連のダイヤモンドアスリートに選ばれなかった古谷や、大学4年間で結果を出せていない田中も負けていないだろう。強い意思を背景に、自身の持ち味を最も出すことができた選手が勝つ。
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