2015/9/11 日本インカレ
日本インカレ 見どころ@
男子4×100 mR学生新を狙う中大
日本代表・谷口のダッシュと3・4走の東京高OBコンビのバトンパス


 男女の4×100 mR予選が大会初日に予選、2日目に決勝が行われる。注目したいのは男子の中大と女子の青学大、両V候補の走順とバトンパスだ。
 中大は1走から諏訪達郎(3年・PB10秒37)、谷口耕太郎(3年・20秒45)、猶木雅文(4年・20秒44)、女部田祐(4年・10秒25)と昨年の今大会優勝時と同じ走順になる予定で、先輩チームが2010年にマークした38秒54の学生記録更新も狙う。
 5年前の学生新は2走に川面聡大(現ミズノ)、4走は飯塚翔太(同)と、その後五輪&世界陸上の日本代表に成長する2選手が入ったメンバーで出した記録。北京世界陸上の日本のタイムは38秒60だった(予選落ち)。簡単に出せるタイムではないが、今季のチームも上記のように高いレベルの記録を持つ選手がそろった。

 北京世界陸上直後ということで、日本の4走を走った谷口が注目される。最後はドイツを追い上げたが、0.03秒差で通過できなかった。予選2組は5位が38秒03というレベルの高さで、プラス通過ラインに大差があった。3走の長田拓也(法大)とのパスでスピードを緩めてバトンを受け取ったが、谷口のダッシュが世界陸上本番で「きれきれになっていた」(スタンドから観戦していた短距離選手)という指摘もある。
「ビデオを見ると普通にマークで出ています」と谷口。「(マークの位置を)34足長で練習してきましたが、33にすれば良かったかもしれません」
 本番で走りが格段に良くなってしまった。それが学生新を狙う今大会(特に決勝)ではどうなるか。

 4年生の女部田は記者団との会話中に
「今季一番記録の良い川上(拓也・10秒33)を外しました」
「ケガ人はいません」
「学生記録は狙いますが、形だけでなく中身も重視したい」
 と、チームの充実を物語るコメントをしていた。

 その女部田と猶木は、東京高がインターハイに優勝し、高校記録も更新したときのメンバー(インターハイは総合優勝も達成)。昨年の日本インカレ優勝時には、3走の猶木が残り20〜30m地点で「ハムストリングが悲鳴を上げた」(猶木)が、2人の“呼吸”がピンチを救った。
 女部田は昨年の優勝後にこう話していた。
「猶木がいつも“はーい”と声をかけてくるところで来なかったので、少し緩めて受け取りました。高校からやってきた2人なので、その辺のタイミングはわかりましたね」

 今季は谷口が絶好調で日本選手権6位だが、昨年の日本選手権は女部田が100 m3位、猶木が200m5位と日本のトップレベルで活躍している。前述の女部田の話から、諏訪も好調だということがわかる。
 中大の学生記録更新の可能性、十分にありそうだ。


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