2015/9/10 日本インカレ前日
桐生と土江コーチが会見。慎重な復帰レースを強調
「今はケガなく走り終えることが目標です」


※大会前日の練習前に行われた桐生祥秀(東洋大)と土江寛裕コーチの会見から抜粋
Q.出場についての最終判断は?
土江寛裕コーチ このあと前日の刺激練習をして、その内容や、明日のウォーミングアップをしっかりチェックして、最終的にはコール(招集)に行く直前に判断します。今のところ順調にトレーニングはこなしてきて、出る準備はしっかりできています。ただ、出ると決めつけないで、慎重に判断していきたい。

Q.現在の心境は?
桐生祥秀 ケガをして、出たかった世界陸上も出られず、テレビで見る形になってしまって、あまり楽しくありませんでした。走った方が良い。この大会を目指して頑張ってきましたし、来年オリンピックがあって、そのためにはタイム(標準記録)も出さないといけませんが、今はケガなく走り終えることが目標です。スパイクも少ししか履いていませんが、ケガをしない体を作ってこの大会に臨めたと思うので、大会でしっかりスパイクを履いた(トップスピードの)走りをして、その上でケガなく終えられれば。
Q.今の仕上がりは何パーセントくらいでしょうか?
桐生 試合が久々なので何パーセントかはわかりませんが、楽しく走れそうです。
Q.質問不詳
桐生 この大会を大きな目標とせずに来ているので、ここから先へ、と考えて来ました。

Q.5月の終わりに肉離れをした後のトレーニングの流れは?
土江コーチ 毎週のようにJISで医科学的なチェックを入れて回復をしっかり確認しながら、トレーナーの方にもずっとついてもらっていますが、その指示でできる範囲のリハビリを積んできました。7月中旬まではゆっくりと時間をかけて、7月下旬から8月にかけて十分走れる状態になってきましたが、そこから私が北京(世界陸上)対応になってしまって、桐生が自分のセンスでトレーニングをしっかり積みました。内容の報告は逐一受けていました。この大会の準備として、練習のボリューム的にはしっかりと積めています。

Q.北京世界陸上はどんな気持ちでテレビを見ていましたか?
桐生 逃げていた部分もあって、寮でしっかりと見ていたわけではありませんが、出たいなっていう気持ちで(ちょっとずつ)見ていました。他の種目をしっかり見る気持ちにはなれませんから、町に出たりしていました。

Q.見られない気持ちを詳しく言っていただくと?
桐生 自分が出たかった、という気持ちが一番ですが、知っている方たちも多く走っていて、刺激をもらった部分もありますが、なんで自分がこっちにいるのだろう? という思いが強くなって。その思いを振り払うためにも、この大会からケガなく走りたい。あと1回ケガをしたら、ホントに終わりだと思って走ります。

Q.ブロメル選手ら同じ20歳の選手が2人、世界陸上の決勝を走っていましたが?
桐生 そこは一番、刺激をもらったところです。同級生が世界でもう、メダルを取っている。世界ジュニアでも負けていますが、どんどん先に行かれてしまっている感じがします。早く追いつきたいですし、一緒のレースに出て勝負ができる力をつけたい。

Q.日本人3人が準決勝に進んだ200 mについては?
桐生 どうしても100 mの方に気持ちが入ってしまい、200 mは普通に応援していた感じです。自分は準決勝に行ったことがないのですが、強い外国人選手の準決勝を見ると、予選で調子が悪くても準決勝でしっかり走って決勝に残っています。準決勝で順位を狙わないと決勝に残れないと、100 mでも200 mでも思いました。強さが重要だと、今回特に思いました。

Q.故障をしている間、一番つらかったことは? そのとき支えとなったものは?
桐生 ひとの走りを見たり、活躍しているのを見るのが一番つらかったです。色々な人が気遣ってくれて、心に響く言葉を言ってくれて、応援されているのだとわかりました。頑張らないといけない、と思いました。

Q.故障した後はどんなケアをして、どんなトレーニングをしてきましたか?
土江コーチ 日本インカレに出られるようになりましたが、ここでやらなくてはいけない、とか、期限を決めて焦って取り組むことが一番いけないと心がけてきました。皆さん気をもまれたと思うのですが、きちんと地に足をつけて、急ぎすぎず、それぞれの段階で体を作っていくことに注意をしてやってきました。トレーナーやドクターの意見を聞き、一番確実なところでじっくりやっていくことを一番大事にしました。それは、この試合に向けても同じ状況です。

Q.改めて、この大会の目標を。
桐生 久々の試合なので楽しんで走って、しっかり優勝を狙います。それにタイムがついてくれば、なおいいです。ここから色々な大会で活躍して、ここにいる記者さんたちが2倍、3倍になるようにしたい。


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