2015/5/24 関西実業団3日目
竹澤が5000mで優勝
アキレス腱の故障克服で再び代表レベルへ


 男子5000mは竹澤健介(住友電工)が13分59秒07で優勝。早大時代からの恩師、渡辺康幸新監督の実業団初采配レースを飾った。
 竹澤自身も「だいぶ戻ってきたな、という感じ。(表彰台の一番上は)すごく久しぶりです」と、笑顔を見せていた。

 関西実業団会場の大阪長居陸上競技場は、早大3年時に出場した2007年世界陸上開催スタジアム。翌年の北京五輪には、長距離トラックの現役学生選手としては56年ぶり、マラソンを含めても52年ぶりに出場した。その後はアキレス腱の痛みに悩まされ、2010年のアジア大会出場後は代表になっていない。自己記録は2種目ともも早大3年時のものが残っている。

◆竹澤の年次別ベストと主要大会成績

 アキレス腱の痛みは、まったく不安がなくなることはないという。だが、上手くつき合いながら走ることはできる。
「完璧に治すことは難しいのですが、微妙なところで頑張っていくしかありません。(痛みがないのは)3〜4シーズンぶりくらいですか。練習ができることに感謝しています」

 エスビー食品が廃部になった数カ月後に住友電工に入社。この4月から、渡辺監督も合流した。
「自分のことを一番知っている指導者。相談しながらやっています」
 これまでは渡辺監督のいる早大まで練習しに行っていたが、渡辺監督の住友電工入社により練習場所の選択肢が格段に多くなったという。
「試合以外では硬いところを走らないようにしています。芝生とか砂利とかで、全部が全部選べるわけではありませんが、その場に対応してできています。あとはケガのリスクも考えて中間疾走、ラストスパートと、練習を区分けして行っています」

 今年の日本選手権出場種目は5000mだけだが、村山紘太(旭化成)らとの勝負が楽しみになってきた。
「気候もどうなるかわかりませし、日本選手権は記録よりも勝負の場です。若い選手たちも伸びてきていますが、トシが行っても頑張れるぞ、ということを見せたい」
 10月で29歳になる竹澤が、故障を克服して代表レベルに返り咲けば、アキレス腱の痛みに悩まされる選手たちを勇気づけることにもなる。


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