2014/4/29 織田記念
やり投の社会人ルーキー新井が85m48
同学年のディーンを上回り日本歴代3位に


競技後会見の一問一答
「ブロックして左脚に乗っていくところが上手くできて、目の前に低く投げることができました」
Q.(質問不詳)
新井涼平 今日は80mを超えることが目標でしたが、練習投てきで80mを超えたので、さらに上のランクを目標として投げて行く気持ちに切り換えました。(日本歴代3位の)実感はまだありません。まだこの1試合、1回しか投げていません。他の試合でも投げられたらホンモノです。

Q.記録が出たのは何が良かったからだと?
新井 新しくやってきた技術が、今日の記録につながりました。自分のやりの飛び方は吹き上がるように、高く投げていましたが、今日は低く投げることができました。ブロックして左脚に乗っていくところが上手くできて、目の前に投げることができた。高さとしては理想的でした。

Q.2投目の84m06のときの手応えは?
新井 80mは超えた、と思いましたが、失敗した部分もありました。開いてしまったのにあそこまで飛んでくれた。お客さんの歓声で距離が伸びたことがわかりました。3投目の85m48は、さらに少し抑えることができました。4投目以降は(82m30、82m24)投げようと思って力んでしまい、突っ込んだ投げになってしまっていましたね。6投目に少し開いていたところを修正して、84m35を投げることができました。85mの投てきはちゃんとブロックに乗ることができましたが、それでも少し開いています。まだまだ上を目指して(技術改善を)やって行きたい。

Q.練習ではどんな工夫をした?
新井 目の前に力を伝えられるように、腕の振りを変えたり、ブロックの着き方やブロック時の幅を変えたり、色々と試しました。練習では去年も80mを超えていましたが、ファウルラインを越えて投げていましたし、試合になると力んでしまって投げられませんでした。

Q.これまでの自己記録は?
新井 78m21で、2011年の日本選手権で出した記録です。去年の段階で80mを投げたいと思ってトレーニングをしていましたが、何が足りないかを考えたら、技術力が少ないと判断しました。

「以前はウエイトをやって体を大きくしてきましたが、今年は技術に絞ってやってきました」
Q.フィジカルより技術を重視した?
新井 以前はウエイトをやって体を大きくしようとやってきましたが、今年は、特に2月に南アフリカに行って以降は、技術に絞ってやってきました。去年のゴールデングランプリで、ファウルでしたが80mを超えました。ファウルをした原因の1つが技術のなさで、突っ込んでしまってまとまりのない投げになり、オーバーランしてしまったのです。そこを修正して安定した投げをしないと道は開けない。南アフリカに行ってフィンランドやチェコの選手たちを見て、力では絶対に勝てないと感じました。だったら技術を上げるしかない。ディーンも同じ生活をしているなかで、自分がウエイトメインだったのに対し、技術を中心の考え方をしていました。

Q.これまでと違う種類のやりを使用した?
新井 いつもはノルディックのチャンピオンというやりで、紫と白がグルグル回っているデザインですが、それは向かい風用と考えていました。追い風では、ネメトというカラフルなやりを使いました。それも南アフリカで、ネメトのやりしかなかったので、投げられるようになったんです。以前は硬すぎて投げられませんでした。ネメトの方がグリップが太く、穂先もいきなり尖っていく形状です。

Q.ご自身の長所はなんだと思っていますか。言われていますか。
新井 助走スピードですね。そこは男子やり投の選手の中では負けないと思います。いつもは速く突っ込みすぎる傾向がありましたが、今日は少し抑えたスピードでした。もう少し上げられると思います。

Q.“第3の男”のポジションでしたが。
新井 やっと追いついて来ました。村上(幸史・スズキ浜松AC)さんは目標として頑張ってきましたが、(追いつくというところで)そこまで意識していませんでした。ディーンは、まだ抜くことができたとは思っていません。直接対決で勝っていませんから。少しは戦えるようになったと思うので、直接対決で勝ちたい。

Q.身長・体重と、やり投を始めた経緯は?
新井 183cmで91kgです。やり投は高校1年の2学期から。中学時代は野球部の補欠で、ベンチでボーッとしていました。高校(埼玉県皆野高)はグラウンドホッケーが強い高校で部活動もそこに入りましたが、すぐにやめて、夏休みはアルバイトをしていました。その時に、やっぱり体を動かしたいと思って陸上部に入ったんです。

Q.日本選手権の目標は?
新井 さらに自己記録を更新できるように技術を高めて、ケガには気をつけて、村上さんとディーンに勝てるようにしたい。


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