2014/12/31 ニューイヤー駅伝前日
初マラソン経験済みの三輪、中距離も強い油布、伸びしろの感じられる大西
ちょっと注目したい大卒ルーキー3人

 TBSのニューイヤー駅伝展望コラム第6回では、ここまで紹介してきた流れもあり、大物新人たちの登場する区間を紹介している。最長区間の4区に設楽兄弟と窪田忍(トヨタ自動車)が出場することは触れたが、それ以外で4区で注目しているルーキーとして三輪晋太朗(NTN←東農大)を挙げたい。
 1年前の箱根駅伝は5区で区間4位で、2月の別大マラソンにも出場。2時間27分36秒(50位)だったが、中間点まではトップ集団で走った。マラソンに出ること自体もそうだが、意思の強さが伝わってきた。
 中部予選では16.6kmの4区で、日本選手権1万m3位の大石港与(トヨタ自動車)に11秒勝って区間賞。八王子ロングディスタンス1万m2組では、服部翔大(Honda)に0.20秒差の2位(28分29秒50)と健闘した。
 亀鷹律良監督に三輪の特徴を聞いた。
「東京オリンピックのマラソンを目標にしていて、早くマラソンを走りたいという意志がある選手です。この4区を走って、日本のエースたちと走ることをすごく楽しみにしている。別大マラソンでスタミナが足りないこと、まだまだ練習しないといけないことに気づいたのでしょう。自然とそういう練習に取り組む姿勢になったと思います」
 設楽兄弟たちはトラックのスピードからアプローチするのに対し、自分は長い距離からアプローチする。それが20kmの距離でどういう結果に現れるか。駅伝ファンをあっと驚かせる結果になる可能性も、そこそこあるような気がする。

 TBSコラムでは実績ある選手が3区に多く回ったと書いたが、3区にも注目すべきルーキーが起用されている。富士通の油布郁人(駒大卒)と、プレス工業の大西亮(大東大卒)だ。
 駒大OBの油布は箱根駅伝こそいまひとつだったが、全日本大学駅伝では3区(9.5km)で4年連続区間賞で走った選手(2年時からチームも3連勝)。ニューイヤー駅伝の距離向きの選手で、“5年連続3区”区間賞がかかっている。
 高校3年時の実績ではインターハイ1500m&5000mで日本人トップと、今回クローズアップされているルーキーたちよりも上だった。全国高校駅伝1区(10km)でも大迫に次いで区間2位。10km以下の距離の実績なら、世代トップを走ってきた。
 中距離の1500mでは2012年に3分42秒37をマーク。2013年の兵庫リレーカーニバルで日本人トップの2位となったこともある。
 油布本人は富士通ブログで、「前半は追い風の力を受けながらの走りになると思いますが、ルーキーらしい攻めの走りをしっかりしていきたいです」とコメントしている。

 大西亮は東日本予選2区で区間2位、区間賞の設楽啓太と4秒差で走って駅伝ファンを驚かせた。1年前の箱根駅伝は10区で区間12位の選手だったのだ。
 上岡宏次コーチにどんな選手なのか、八王子ロングディスタンスのときに説明してもらった。
「シーズン前半は研修実習などもあってパッとしませんでしたが、夏を越えて頭角を現しました。練習でも最後の1本などは1人で抜け出してきます。それでも余裕がありますから」
 1万mのベストは29分36秒62だが、上岡宏次コーチによれば、「八王子ロングディスタンスで28分30秒の日本選手権標準記録を狙う予定だった」という。身内の不幸で参加できなかったが、東日本予選を見る限り、その力は間違いなくありそうだ。
 急成長の要因までは特定できないが、環境に適応する大西の能力が背景にあると上岡コーチは感じている。プレス工業は練習時間は確保されているものの、現場作業の職種に就いている選手も多く、大西もフォークリフトに乗っての仕事もこなす。
「その環境でも競技ができることに感謝をしているから走れるのだと思います。その精神力はすごい」
 俗っぽい言い方になるが、伸びしろ200%のルーキーと言えるだろう。


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