2014/10/25 実業団女子駅伝西日本大会前日
前回優勝のダイハツは1区に松田、3区に前田の新人コンビ
5区の坂井田、6区の木崎で逆転なるか
天満屋も重友が復調して3区に。好調の若手トリオも要注意

福岡陸協速報室に実業団女子駅伝西日本大会スタートリスト
 九電工に対抗するのは、関係者の評価では前回優勝のダイハツと、全国大会連続入賞記録を伸ばしている天満屋とされている。

 ダイハツは前回3区区間賞でトップに立った岡小百合が、調子が戻らず補欠に回ったのは痛い。また、木崎良子もアジア大会(マラソン銀メダル)直後ということでアンカーの6区に回った。
 だが、将来を期待される新人コンビ、松田瑞生と前田彩里が1区と3区に入った。松田はトラックのタイムでは他チームの1区選手たちに劣るが、全日本実業団で初の15分台(15分54秒35)をマークし上り調子。3区の前田も全日本実業団1万mで32分03秒43(6位)の自己新と好調だ。
 5区の坂井田歩は前回5区区間賞でトップに立った選手で、全日本実業団1万mでも自己記録に10秒差と迫った。信頼度は高い。坂井田と6区の木崎、ダイハツを支える同学年コンビで40秒は稼げるだろうか。

 林清司監督は「九電工には太刀打ちできない」と言いながらも、「前田のところで詰められれば面白くなる」とも。
 その前田は次のように話している。
「(トラックの)タイム的に言ったら区間賞も狙えるかな。敵は同学年の加藤(岬・九電工)ですね。岬には負けたくない。(実業団駅伝は)初めてなので気負わずにイケます。後ろに(頼りになる)お姉さん方がいてくれるので緊張していません」
 前田と加藤の同学年対決が、優勝争いを左右するかもしれない。

 天満屋は重友梨佐を3区に起用した。大阪国際女子マラソンで2時間58分45秒(64位)と失敗し、その後はレースにほとんど出ていないので不安視されていたが、夏以降は「普通にやっている。去年と比べてもマイナスじゃない」(武冨豊総監督)という。3区ということは、手応えがあるのだろう。
 1区に長崎国体5000m5位(15分38秒77)で、今季のトラックではチーム1の翁田あかり、5区に全日本実業団1万m9位(32分28秒88)の小原怜と九電工&ダイハツに対抗できる布陣。そうすると重友が、加藤&前田の好調コンビとしっかりと勝負をすることが最重要になる。

 天満屋は2区・谷本観月、4区・永田美結、6区・藤田友里恵と、主要区間以外は入社1〜2年目の選手たちが担う。その3人が他チームの指導者たちが警戒するほど好調だ。谷本と永田は全日本実業団ジュニア3000mで上位に入り、5000mでは16分ヒト桁台をマークしている。
 そして面白いのが藤田である。昨年まで、山口県の信用金庫でOLをしていた市民ランナー(高校卒業後2年間)。高校では「山口県で3番手くらいの存在」(武冨総監督)で、以前天満屋に在籍した選手と同じ恩師というつながりもあって、今年から実業団選手として再スタート。10月の丸亀の5000mで15分55秒47で走って駅伝メンバーに抜擢された。

 重友の走りがレースの流れを左右するが、天満屋が優勝するとしたら、若手トリオの快走も必要になるだろう。


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