2013/11/15
横浜国際女子マラソン前々日会見
競技人生のターニングポイントとなる選手が多いマラソン
代表選考に漏れた選手がいる。不調に苦しみ続けている選手もいる。そして新しい競技環境で頑張り始めた選手もいる。横浜のレースを再上昇のきっかけとしい選手が多いのが、今大会の特徴である。
@モスクワ世界陸上代表漏れの那須川瑞穂
「76歳の監督がチャレンジする。私も目標を見つけてチャレンジするだけ」
那須川瑞穂(ユニバーサルエンターテインメント)は昨年の横浜で日本人トップの2位となりながら、陸連の選考方針がタイム重視となりモスクワ世界陸上代表に選ばれなかった。今年(11月22日)で34歳になる。「モスクワで卒業」という思いがよぎることもあったという。
選考漏れということではなく、「挫折や苦労をどう乗り越えたのか?」という質問に対して那須川は次のように答えた。
「心と体のバランスが上手くとれずに走れないときは、マイナス思考となることもありました。でも、このまま終わっていいいのかな、体はまだ動くのにな、と思うこともあって、あとは体だけなのかな、私はまだまだできるぞ、と思い直しました」
言葉が途切れ、那須川の目から涙があふれた。
「16年間お世話になっている小出監督(ユニバーサルエンターテインメントから指導を委託されている佐倉アスリート倶楽部の小出義雄代表)から、『なっちゃんは30歳過ぎてもまだまだできるよ』と言ってもらっています。今年74歳となる監督が『オレは東京オリンピックまで頑張るよ』とチャレンジするつもりでいるんです。当たり前ですが、私もチャレンジャーです。自分の目標を見つけてチャレンジしていけばいいと思いました。まだまだ頑張るぞ、というのが私の原点です」
A走りのバランスを崩していた中里麗美
「支えてくれた方たちを走りで笑顔にしたい」
中里麗美(ダイハツ)のマラソン全成績は下記の表の通り。
回数 |
年 |
月日 |
大会 |
成績 |
記 録 |
1 |
2010 |
3.14 |
名古屋国際女子 |
12 |
2.34.29. |
2 |
2011 |
2.20 |
横浜国際女子 |
2 |
2.24.29. |
3 |
2011 |
8.27 |
世界選手権 |
10 |
2.30.52. |
4 |
2012 |
3.11 |
名古屋ウィメンズ |
3 |
2.24.28. |
5 |
2012 |
11.18 |
横浜国際女子 |
dnf |
dnf 36km |
6 |
2013 |
4.21 |
ロンドン |
12 |
2.33.24. |
2度目のマラソンとなった2011年2月の横浜で尾崎好美(第一生命)に次ぐ2位。同年のテグ世界陸上は10位と入賞に迫った。2012年3月の名古屋ウィメンズマラソンは3位(尾崎に次いで日本人2位)。ロンドン五輪代表は惜しくも逃したが、年齢的に若いことと安定した成績からリオ五輪の有力候補と目された。
だが、昨年の横浜は中盤で先頭から後れ36km付近で途中棄権。12月の全日本実業団対抗女子駅伝は6区で区間29位。名古屋でも夏の記録会でも転倒している。
「いつからなのかはわかりませんが、走っていてスピードに乗らない、左脚に体重が乗らない感覚になってきたんです。ちょっとスピードを上げようとすると転んでしまうこともありました。筋力のバランスの悪さを、走りの中でもそうしましたが、補強や筋トレでバランスを取り戻しました。コンディショニングをしてくれた方、監督やスタッフ、家族、応援してくださる方と、多くの人の支えがあってマラソンをまた走ることができます。そういった方たちを走りで笑顔にしたい気持ちがあるので頑張って来られました。チームの先輩が結果を出していることで、次は私も、と頑張って来られました」
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