2013/1/13 全国都道府県対抗女子駅伝
2時間14分55秒の大会新!
26年ぶり優勝の神奈川3選手コメント

出水田眞紀(白鵬女高2年)
※第5回大会優勝時9区の田村有紀(日産自動車)とは親子
「2年前に母のパネルの前で写真を撮ったときは……」
 中学3年の時、メンバーには入れませんでしたが、(母親が何年もコーチを務めている)白鵬女高の選手が毎年出場していたので、京都に応援に来ていました。そのとき、母のパネル(競技場の外に設置されている歴代優勝チームのフィニッシュ写真)の前で写真を撮ったんです。『次の神奈川の優勝のときは、私がゴールテープを切れたらいいな』と思ったんですね。私が思っていたよりちょっと早い優勝でしたが、優勝チームに少し貢献できて嬉しいです。
 大会前はそれほど緊張はしなかったのですが、全国高校駅伝の悔しさがあって、同じ京都を舞台とする大会ですし、同じような走りはできないな、と思っていました。高校駅伝は県大会の記録から、19分20秒を目標タイムにしていたのですが、20分近くかかってしまいました(1区で区間14位・19分58秒)。レース9日前に体調を崩してしまったんです。流れをつくれずチームも9位。本当に悔しかった。
 今日は中盤区間の5、6、7区が高校2年生で、3人の走りで最後が変わってくると思っていました。その流れを作るのが、3人のなかで最初に走る私の役割だったんです。
 最初から突っ込んでいくつもりでしたし、タスキをもらった位置が良くて、先頭も見えていたし、3位の兵庫とは2秒差でした。最初は詰まったんですが、中間過ぎからちょっと失速して離されてしまいました。
 なんとか区間4位になれて、タイムも神奈川県の5区最高タイムが13分11秒だったので、最低限の走りはできたかな。

 母からは、昨日電話で話をしたときに、しっかりと走るように言われました。優勝という言葉はなかったのですが、とにかく自分の走りをしっかりするようにと。レース中は残り800mくらいのところで『そこで離れるな』と声を掛けてくれました。

青山瑠衣(ユニバーサルエンターテインメント)
※9年前の第22回大会で神奈川が2位になったときに中学生で出場。3区で区間7位

「9年前の2位は出られるだけで嬉しかった。今回はさらに」
 中学の頃はこの大会に出られるだけで嬉しかったので、2位になったことに悔しさはなかったですね。(優勝した兵庫とは2分くらいの差があり)自分のなかでは嬉しさだけでした。それが今回は優勝になりましたから、さらに嬉しいですね。
 ただ、自分の走りは(1区6位で)チームの足を引っ張りました。優勝は、2区以降のみんなのおかげです。実業団駅伝で優勝して、気持ちのどこかで安心してしまったところがあったのだと思います。
 でも、東日本実業団駅伝、全日本実業団対抗女子駅伝、そして今大会と、このシーズンは駅伝をすべて勝っているんです。区間賞が取れたら完璧だったんですけど。
 一昨年は(移籍など)色々とあって気持ちの面で集中できませんでしたが、この1年はユニバーサルの1年目で、一からやり直しました。半年間実業団の試合に出られませんでしたし、その分も頑張ってきてこういう結果を出せたのはよかったですね。
 ユニバーサルには新谷(仁美)先輩が、神奈川には吉川(美香)さんとオリンピック選手がいらして、その2人に少しでも追いつこうと頑張ってきたのがよかったと思います。
 レースでは積極的に行くのが自分の持ち味なので、それほど周りは気にしませんでしたが、千葉はアンカーに新谷さんがいるので、少しだけ意識しました。アンカーの前に引き離さないといけないと思っていましたから。
 これまで個人のトラックでは結果を残していないので、今後はまず15分40秒を切って日本選手権に出るのが目標です。全日本実業団対抗女子駅伝も2連勝できるように、また一から頑張ります。

吉川美香(パナソニック)
※ロンドン五輪代表。8区終了時には2008年に京都が大会記録を出したときより22秒遅れていたが、9区の吉川が31分39秒の区間2位と好タイムで走ったことで、大会記録を3秒更新した

「実業団も中高生も揃って最強チームができたことで、26年ぶりの優勝になりました」
 順位が何位でもらっても一番前に立つ、という意気込み臨みました。トップと近い位置でもらうのはもちろん想定内です。2区の中継を見て、前の方で来ると確信しました。神奈川は中高生が本当に強いので、私がコケなければ大丈夫だったんです。
 中継前は(1500m中心だった頃に競り合っていた)小林(祐梨子・兵庫)さんと「一緒に行こうか。でも、新谷さんが来ちゃうよね」みたいなことを話し合っていましたが、先にタスキをもらったからには追いつかせるわけにはいきません。31分台ではきっちり走りたいと思っていたので、前半から突っ込みました。(5km通過が15分54秒で)31分39秒ということは、結果的にイーブンで行けましたね。
 追われる状況は、良い意味で追い風になりました。闘争心が高まりました。
 千葉との差は頭に入れて走りました。30秒以上の差があれば、追いつかれても、最後でとらえられると思っていたので、(実際は1分13秒差があって)余裕がありました。
 神奈川はこのところ中高生がずっと強い状態ができています。私たち実業団選手は外から入ってくることもできますが(吉川は神奈川県出身)、中高生は地元で育てないとダメなんです。神奈川はそれがずっとできていました。
 今回、実業団も中高生も揃って最強チームができた。それが26年ぶりの優勝として実を結んだのだと思います。


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