2013/4/29 織田幹雄記念国際
桐生&山縣2選手のレース後会見  後編

自身の走りの特徴と9秒台への課題は?
10秒00の位置づけと先陣争いについて

桐生「中盤から後半にかけて、腰が乗っかるとストライドも伸びるところ」
山縣「中盤で加速するために、前半で力を使わないようにして少し余裕をもって中盤に入る」

Q.桐生選手は去年の段階では、インターハイと世界陸上で悩んでいましたが、今はどうですか。
桐生 今も迷っている感じです。インターハイも、世界陸上も出場してみたいですし、家に帰って家族とゆっくり相談します。
Q.2人に伺いますが、自分の走りの強みはどこにあると思いますか。
桐生 自分は中盤から後半にかけての、腰が乗っかるとストライドも伸びるので、前半どれだけ貯金をして後半にもっていけるかというところです。
Q.ストライドが伸びるというのは意識して練習してますか。
桐生 練習でもミニハードルを置いて、遠くに足を置いても耐え切れるように体を持って行く練習をしています。あと、皆と一緒というか、全員が前にいるかもしれないという中で走ってます。
山縣 僕も中間の伸びが強みだと思います。僕は中盤で加速するために、前半でできるだけ力を使わないように、余力を残すというのは言い方が違うかもしれないですけど、少し余裕をもって中盤に入る。中盤で加速ができるのが強みだと思います。

桐生「大事な試合でも(10秒0台で走るために)、自分のペースで試合が運べるようになりたい」
山縣「10秒0台は自分の走りをすれば出るタイム。10秒0というのは目的ではなくて、あくまで通過点のタイム」

Q.2人にとって10秒00というのはどういった存在ですか。
桐生 去年のベストは10秒19で、10秒2のほうが近い位置にいました。10秒0台という数字は自分にとっては目標だったんですけど、この大会で自分でもしっかりと調整して自分の走りができれば10秒0台もいけることがわかりました。大事な試合でも(10秒0台で走るために)、自分のペースで試合が運べるようになりたいです。
山縣 僕は去年のこの織田記念で10秒0台を初めて出して、10秒0台というのは自分の走りをすれば出るタイムだと感じていました。そのなかで自己ベストを目指しているので、10秒0というのは目的ではなくて、あくまで通過点のタイムとしてとらえるようにはしています。

桐生「高校記録は100mも4継も昨年先を越されたので、9秒台は先に出したい」
山縣「譲るわけではないので。しっかり自分の課題を克服して、それが早い段階でできれば自然と(9台も)出ると思う」

Q.先に9秒台を出したいですか。
桐生 はい。先に出したいです。昨年100 mの高校記録は大瀬戸(一馬・法大)さんが先にだして、4継では洛南よりも滝川二高に先に出されました。自分が最初に高校新というのを作ったことがないので、9秒台は先に出したいです。
山縣 今日の結果を踏まえて考えると、僕もちょっと出るかな、出したいなと思ったんですけど、ただ、それは甘かったなと思いましたし、こんなにしっかりした高校生がいるなら、彼はきっと出してくれるとは思いますけど、譲るわけではないので。自分はしっかり自分の課題を克服して、それが早い段階でできれば自然と(9台も)出ると思うし、常にベストを尽くして、先に出せるなら、先に出したいなと思います。
Q.地元広島で主役の座を奪われてしまいましたが。
山縣 期待して見てくださった方には本当に申し訳なかったと思いますけど、そのような責任も負える選手にちゃんとなりたかったと思いますし、そうなれる選手が9秒台を出せる選手だと思います。自分にはまだ器がなかったんだと思います。でも、それは諦めではないので、これをしっかり受け止めて、次につなげていくしかないので、気持ちを切り替えます。
Q.これまでに下の学年の選手に負けたことは?
山縣 中学のときに、北村拓也君に負けて以来なかったですかね。

桐生「後半、前半を気にせずに100 mの流れをもう1段階速くしていきたい」
山縣「後半は硬くならずに走れているので、前半に良い形に乗って中盤の加速につなげていければトップスピードも上がっていく」

Q.次に2人で走るのは日本選手権になると思いますが、その前にゴールデングランプリ川崎で走りたいですか。
山縣 去年ゴールデンウィークで3試合をやって、その疲労が関東インカレで出てしまってケガになってしまった。去年の反省を活かさないと意味がないので、出たい気持ちはやまやまですし、リベンジしたいとは思うんですけど、体のことが1番大事なのでゴールデングランプリはテレビで見ておくことにします。
Q. 10秒01はジュニア世界記録タイで、現時点では今季世界1位ですが。
桐生 世界1位というのは嬉しいですけど、そこで満足していたら次には進めないので。昨年のユース世界最高もすごいと言われましたが、言われることには(良い意味で)すぐに慣れました。世界ジュニア記録っていうのに満足していたらだめなので、そこまで気にせずに自分の走りを追及していきたいです。
Q.これまでスーパー高校生といわれた選手でも、シニア選手と一緒に走ると力が出せないことが多かったのですが、どのようにして力を出し切れたのですか。
桐生 楽しんで走ることが目標だったので。最初は決勝残ったらいいな、と思っていたら予選を通って、予選を通ったら次は決勝でも勝ちたいと、気持ちをどんどん切り替えていく感じですかね。
Q.10秒01というタイムにビックリしていましたが、自分の理想の走りができたという感じがありますか。
桐生 それはできたんですけど、01を出したときはまだ後半硬さがあったので、もっともっと改善が必要だと思います。
Q.2人とも今日のレースで手ごたえはあったと思うんですけど、あえて課題を見つけるならば。
桐生 後半、前半を気にせずに100 mの流れをもう1段階速くしていきたいなと思います。
山縣 僕は前半だと思います。後半は硬くならずに走れているので。前半に良い形に乗って中盤の加速につなげていければ、トップスピードも上がっていくと思います。


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