2013/1/25 大阪国際女子マラソン前々日
先頭集団は5km毎が17分00秒
後半型のガメラシュミルコは集団で走るのか?


 外国勢で要注意なのはマリア・コノワロワ(ロシア)とタチアナ・ガメラシュミルコ(ウクライナ)の2人。
 コノワロワは北京五輪1万m5位のスピードランナーで、2010年のシカゴ・マラソン3位のときに出した2時間23分50秒がベスト。38歳という年齢がどう影響しているかわからないが、通常なら5km毎を17分00秒前後の先頭集団でレースを進めるだろう。

 注目されたのがガメラシュミルコが先頭集団でレースを進めるのかどうか、という点。2位だった昨年の大阪は16分50秒台のペースに最初からつかず、中間点は先頭から1分50秒遅れの1時間12分49秒で通過。後半も5km毎17分10秒台をキープして順位を上げ、40kmを過ぎてから野尻あずさ(第一生命)を抜いて2位でフィニッシュした。
 ロンドン五輪でも終盤の追い上げで5位に入賞。V候補筆頭と言ってもいい実績を残している(渋井陽子もエドモントン世界陸上4位)。
 今大会も先頭集団につかない可能性があったので、会見の際にで確認してみた。

「昨年の大阪はペースメーカーが16分55秒でしたから、最初からつきませんでした。そのペースで走る準備ができていなかったという判断です。ロンドンは中間点までは先頭集団で走りましたが、そこから遅れてしまって、30kmから追い上げました。日曜日は先頭集団に最後までついて行きます。ロンドン五輪で出した2時間24分32秒の自己記録(ウクライナ記録)を更新したら成功です」

 昨年16分55秒のペースにつけなかったガメラシュミルコが、今年は17分00秒のペースに付くというが、疑問視する日本の指導者もいた。順位を優先するなら確実に力を出す方法を選択するだろう、という見方だ。日本勢も近年は、終盤でかなりペースダウンしている。
 ガメラシュミルコのなかで、この1年間が自信になっているのだろうか。
 最近の練習は「持久力は30kmを、インターバルは400mから1万mでやってきた。課題は全般的な持久力、そしてマラソンに特化した持久力を鍛えることでした」と話していた。

 昨年の大阪のラスト2.195kmは7分06秒で、優勝した重友梨佐(天満屋)を43秒上回った。ロンドン五輪は全体的に後半の方が速い展開だったが、1〜4位の選手よりもラスト2.195kmは4〜5秒速かった。
 いつもと同じように、後半で上げられる感覚で先頭集団について走ることができたら、ガメラシュミルコが終盤に抜け出す可能性が高い。日本勢は早い段階で振り切りたい。


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