2013/9/6 日本インカレ
全カレちょっと感動した話題特集
@ロンドン五輪4×400 mR代表の東が競技続行
大会初日の男子400 mはモスクワ世界陸上4×400 mR代表だった山崎謙吾(日大3年)が46秒65で優勝。ユニバーシアード400
m代表だった木村淳(中大4年)が2位と続いた。 日刊スポーツ記事参照
“今年の日本代表”がワンツーを占めたのに対し、昨年のロンドン五輪4×400 mR代表だった東佳弘(関大4年)は47秒44で6位に終わった。
東は昨年の日本選手権で3位(46秒26)と好走して五輪代表に選ばれたが、3走を走った本番は予選2組で6位(3分03秒86)に終わった。
それまでの東は国際大会を走った実績も、全国大会で優勝したこともなかった。典型的な“1大会だけの好成績で代表入り”した例だったが、本人は精一杯走った結果で責めることはできない。選考の問題だろう。
ロンドン五輪後も精彩を欠いた。昨秋の日本インカレは準決勝落ち(47秒95)で、国体は予選落ち(48秒35)。今年の日本選手権も予選落ち(48秒17)だった。競技をやめてもおかしくない成績が続いていた。
レース後の東に、今回のレースの結果と卒業後のことを聞いてみた。
「入学したときに立てた目標が全カレの決勝を個人で走ることでしたから、その目標が最後にかないました。今年は予選の組分けにも恵まれて、ラッキーで通ることができました。決勝で勝負ができて、最後に良い結果を残すことができたと思っています。家族や指導者に恩返しができました。
卒業後は大学職員になる予定で、どういう仕事内容になるかはわからないのですが、競技は続けていきます。フルタイムの勤務です。
目標は特に決めていませんが、続けるからには自己記録(昨年の日本選手権の46秒26)は更新したい。2016年か2020年のオリンピックまで、長い目で見てトレーニングをしていきます。
オリンピックは、昨年の日本選手権の決勝をゴールするまで、まったく考えていませんでした。3位になってマイル(の代表が)あるかな、と思いましたけど、イメージすることなく行った大会です。海外に出たこともなく、金魚のフンみたいにみんなについて行くだけで、本当に緊張しっぱなしでした。
外国人との体型の違いも、身近で見て認識せざるを得ませんでした。ジャマイカの3走の選手は190cmくらいありましから。そのなかでも勝負をしていた山縣(亮太・慶大)や飯塚(翔太・中大)はすごいと思いました。
ただ、ヨーロッパで、あれだけ観客が多いなかを走れたことはすごく幸せなことだったと思います。観客が力になることもあると実感しました。
今度の冬は、一番練習ができた2年前の冬期を思い出して、しっかりとトレーニングをしたいと思います。今年の冬はしっかりと走り込めず、春先にアキレス腱を故障してしまって4月の半分が練習できませんでした。それが、今年の結果に現れてしまったと思います。
2年前は全カレの標準記録を破ることがモチベーションでした。その時の気持ちを思い出し、来年はしっかりと競技をするために目標を見据えてトレーニングをやります。一からやり直します。
後輩たちの指導もできたら、という思いもあります。関西(関西大?)を盛り上げていきたい」
ロンドン五輪から1年。突っ込んだ部分を聞く時間はなかったが、つらい思いも多くしたのではないだろうか。オリンピックで盛り上がりすぎる社会に対して違和感を感じたり、陸上競技を嫌いになっても責められないと思っていた。
東が陸上競技から離れない。それだけでも個人的にはうれしかった。
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