2013/3/8 名古屋ウィメンズマラソン2日前
五輪後初マラソンに臨む木崎に自信
ラスト勝負がロングスパートになる可能性も?

 ロンドン五輪代表(16位)だった木崎良子(ダイハツ)が、五輪後初のマラソンをどう走るか。今大会の焦点の1つだが、木崎がかなりの自信を会見で見せている。
「今までのマラソン練習よりもレベルアップした走りができて、自分のなかですごく自信をもってレースに臨めます。日本人トップで2時間24分を切るという目標がありますが、まずはチャレンジするマラソンを今回はしたいと思います」

 五輪後は駅伝を走りながら状態を整えてきた。
 10月の実業団女子駅伝中日本大会3区で区間4位、区間賞の福士加代子(ワコール)とは1分04秒差だった。12月の全日本実業団対抗女子駅伝では5区で区間2位、区間賞の重友梨佐(天満屋)とは5秒差と好走した。ただ、1月の全国都道府県対抗女子駅伝は1区で区間5位。高校生の上原美幸(鹿児島女高)に27秒差をつけられたのは不本意だっただろう。

 1月中旬から2月後半まで、アルバカーキで合宿を実施。そこで、前述のような練習ができた。
「ビルドアップの40km走はいつも、上がっても19分を切るくらいでしたが、今回は17分台で2本こなせました。変化走も17分台で、ラスト1kmは3分ヒト桁でした。今までよりも良い練習ができたと思います」
 ただ、“いつも”との場所の違いを林清司監督は指摘する。
「これまでやっていたフラッグスタッフより、アルバカーキの方が低いですから、タイム的に良いのかどうかはわかりません。ただ、本人が気持ちを上げることができたのはよかった。国内ではできませんでした」

 木崎が手応えを感じているのは、走るメニューだけではない。動きを変えられた実感がある。
「ロンドン五輪でトラックを福士さんと一緒に見ていて、『体の使い方がなんで上手いんだろう』ということを言われていました。そのときに、自分も体の使い方を上手くすればもっと走れるかもしれないと思って、肩甲骨の動きを変えてみました。ジョッグもトレイルやゴルフ場など、アップダウンの大きいところ、走りにくいところを積極的に走るようにした。腕振りも右の方が強かったので、左手で箸を使って、左の腕振りを上手く使えるように心がけています。生活面から変えていこうとやっていますね」
 林監督も木崎の動きが「だいぶ変わった」と認めている。
「腕振りもそうですし、補強も変えました。背中周りがリラックスして使えるようになったと思います。その点、都道府県駅伝は動きが悪かった。それをアルバカーキで修正して、故障のしない接地の仕方になってきています」

 ロンドン五輪の16位という順位は、“次”の目標を定めるのに微妙な成績だった。上を目指すには少し遠いが、さりとてきっぱりやめる踏ん切りもつかない。「次はこれ、という目標がなかなか持てなかった」と木崎も東海テレビのインタビューに答えている。
 ただ、ロンドン五輪の経験は本当にインパクトがあった。
「もう一度世界の舞台で勝負したい気持ちが強くなりました。もちろん世界陸上には出たいです」
 モスクワ世界陸上代表を自動的に決めるには、2時間23分59秒以内のタイムで日本人1位となることが条件。
 木崎の勝ちパターンは、ロンドン五輪代表を決めた2011年11月の横浜国際女子のように、ラストで競り勝つこと。都道府県駅伝レース後に名古屋で目指すレースを聞いたときも、横浜国際女子のような勝ち方をしたい、と話していた。会見でラスト1kmのタイムを話すあたりからも、木崎のイメージしているレース展開がわかる。
 だが、冒頭で紹介したコメントに「チャレンジするマラソンをしたい」という言葉があった。ラストで勝つパターンを大きく崩さずに、さらに挑戦する、という意味だと思われる。
 横浜のように残り1kmを切ってからの“切れ味”を武器にしたスパートではなく、余力のあることを武器にしたロングスパートがあるかもしれない。

木崎のマラソン全成績
回数 月日 大会 成績 日本人順位 記 録
1 2010 1.31 大阪国際女子 6 2.27.34.
2 2011 1.30 大阪国際女子 5 2.29.35.
3 2011 11.20 横浜国際女子 1 1 2.26.32.
4 2012 8.05 ロンドン五輪 16 1 2.27.16.


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