2013/10/29グランツール九州2013 第3ステージ
福岡が6区間中5つの区間賞で圧勝
累計でも宮崎を逆転してトップに


第3ステージ個人成績
 3日目は、初日3位、2日目2位の福岡が攻勢に転じた。
 1区(10.4km)の渡辺竜二(トヨタ自動車九州)がスタート直後に飛び出し、29分56秒の区間新で2位の鹿児島に1分10秒、初日、2日目と連続トップの宮崎には1分21秒差をつけた。2区(15.3km)の金子幸司(黒崎播磨)も46分09秒の区間賞で宮崎を18秒上回り、2位宮崎との差を1分39秒に広げた。
 3区(20.0km)の押川裕貴(トヨタ自動車九州)の快走が大きかった。60分10秒で区間賞、区間2位の長崎に1分17秒もの差をつけ、宮崎とは4区への中継時に3分06秒の大差とした。
 4区(20.2km)はハーフマラソン出場はあるものの、九州一周初の20km区間に起用された木滑良(長崎・三菱重工長崎)が60分58秒の区間賞で、2位に堀端宏行(宮崎・旭化成)。福岡の園田隼(黒崎播磨)は62分46秒で、2位の長崎に1分18秒、3位の宮崎に1分59秒差まで迫られた。
 しかし、5区(13.6km)の岩見和明(九電工)が42分49秒で区間賞。2位に上がった宮崎に2分07秒差とし、最終6区(12.4km)の久保田大貴(安川電機)は37分08秒の区間新。4時間38分58秒で第3ステージを制覇した。
 久保田が6区だけで2位の宮崎を1分22秒も引き離し、第3ステージで3分29秒差をつけ、3日間累計でも12時間37分01秒で宮崎を39秒逆転してトップに立った。

1区で渡辺が果敢な飛びだし。「3日目でどれだけ取り返せるか」
 1区の渡辺は飛び出そうと判断した経緯を次のように話した。
「一昨日、昨日と福岡は負けていたので、3日目でどれだけ取り返せるか、だと思っていました。1区に行くと決まった2〜3週間前から飛び出しはイメージしていましたが、昨日発表されたメンバーを見て、行かなきゃいけないな、と狙いました」
 最初の1km通過はわからないが、渡辺は「2分45秒を切っていた感覚」だった。5km通過は「14分13秒か23秒」。
「区間記録の30分36秒はイケルと思っていました。30秒くらい破りたいと思っていたので(29分56秒は)予定通りです」
 渡辺は初日の2区(17.7km)でも53分18秒の区間賞。区間2位に1分22秒もの差をつける圧倒的な走りを見せた。
「(中1日で)きつかったですけど、苦しいなかでどれだけ動かせるか。それができてワンステップ、ツーステップと上がることができます。もう1回出場する予定ですが、それも自分を試すチャンスだと思っています。(最優秀選手賞の)納戸賞ですか? 狙っていこうかと思います」

 5区の岩見は宮崎の木下潤哉(旭化成)を8秒しか離せなかった。
「本当はもっと離したかった。5kmまでは良いリズムで行けたのですが、上りだして急にきつくなってしまいました。目標タイムよりも10〜20秒遅く、満足できません。本当に最低限の走りでした。もう1回出場するので、次はもっとしっかり走って区間賞を取りたい」

 7区の久保田は当初補欠だったが、28分20秒台の記録を持つ小西祐也(トヨタ自動車九州)と交代しての出場だった。10月半ばの変更だったが、慌てることはなかった。それよりも、入りの3kmで10秒負けていると監察車からの情報に驚いた。宮崎は昨年陸上部を引退して、市民ランナーとして走っている清水将也だった。
「特に突っ込んだわけではなく自分のペースで入りましたが、詰められていると聞いてビックリしました。でも、状態は悪くないと感じられましたし、5kmか中間点あたりから勝っていると言われて安心しました。宮崎に2分勝っていると聞いていましたが少しでも差を広げて、第3ステージで(2日目までの差を)取り返すことが一番大事だと思って走っていました」
つづく、予定


寺田的陸上競技WEBトップ