2013/10/6 東京国体3日目
“新記録”コメントB
衛藤が28年ぶりの大会タイの2m27、日本歴代11位タイに進出
関東インカレの2m26の再現を求めず、一から見直して秋シーズンは絶好調

衛藤昂(三重・筑波大院1年)
成年男子走高跳リザルト  日刊スポーツ衛藤記事
●「日本インカレは自分のベストの跳躍をして砕け散った悔しさ」
「今日は2m30を跳ぶために15から始めると決めていたんです。天気次第ではありましたが、(2m15、21、24を1回目、27を2回目に成功と)思い描いていた通りのバーの上げ方ができました。それほど多くの本数は跳べないので、6本目で2m30に挑んだのは理想です。2m15から跳び始めたのは、2年前のアジア選手権に次いで2試合目。当時は何も考えずに勢いで跳んでいましたが、今回はずっと考えていたことを実行できました」

「(2m30は3本目が惜しかったが)まだ、こういったら跳べるという確信までは持てていません。ベストの助走をしてベストの踏み切りをするしかない。2m30は初めての挑戦でしたが、高く感じてしまいました。(2m27と)それほど違わないはずですが、10のケタの数字が違うと感じてしまうものがあるのでしょう」

「(2m24を3人が跳んだのは)プラスになったと思いますが、最後は勝ちたいと思っていました。この2年間、2位は何試合もあって、今年は日本選手権も日本インカレも2位。シルバーコレクターでした(笑)。先月の日本インカレ(2m25で2位。戸邊直人が2m28で優勝)では今までにない悔しさを感じましたね。自分のベストの跳躍をして砕け散った悔しさと言いますか、実力を出し切って負けたのは久しぶりの感覚でした。国体では絶対にやってやると思いました」

「日本インカレ後は休みを取らずに練習を再開しました。走る練習と、重くはないのですがウエイトトレーニングで、一度強化をし直したんです。日本インカレで2m25を跳んだのに記事にならなかったことも、起爆剤にしました。2位では扱ってもらえないことを再認識しました」

「(関東インカレの2m26は)“出ちゃった記録”なんです。3月にケガをして4月は跳躍練習ができず、5月はそこそこかなと思っていたらいきなり26が跳べてしまいました。その再現を求めて日本選手権(2m20で2位タイ)、アジア選手権(2m18で7位)と臨んだら、同じことはできなかった。過去の自分を真似ようとしてもできないのだと認識して、夏に一から見直してやってきました」

「(2m30を跳ぶことが世界への切符では?)それですね。世界の選手は2m30を普通に跳んできます。今日勝ったのはゴールではなく、30以上を跳んで世界への道を開くスタートとしないと。(冬期の過ごし方は)陸連の先生方とも相談して決めていきますが、できるだけ良いバネを持って、良い刺激が消えてしまわないようにして冬期に入りたいと思います」


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