2013/10/13 国士舘大学Combined Challenge2013
十種Vは中村、やりを左腕で投げて7514点
攻めの試合内容で「来年につながる大会になった」


リザルト(国士大サイト)

 十種競技は日本選手権2位の中村明彦(スズキ浜松AC)が7514点で優勝した。9種目めのやり投は、故障している右ひじへの負担を考えて左腕で投げて37m17だった。
「左腕で投げたのは8月の中京大の試合に続いて2試合めです。そのときは32m台でした。先週から練習してきて、今日のアップでも上手くできたのでトライしました」
 痛みの原因がはっきりしていないが、他の投てき種目では気にならないという。「精密検査を受けて医学的にも確認し、手術なりリハビリなり、早いうちに手を打ちたい」

 今季は6月の日本選手権で右ひじ痛を抱えながらも7723点の自己新をマーク。第一人者の右代啓祐(スズキ浜松AC)に85点差と迫った。
 走る種目の強さは相変わらずだが、今大会では跳躍種目にも手応えを得た。「板に乗らなかった」という走幅跳で7m22(+0.4)をマーク。自己記録のときは4m80だった棒高跳も、今回は4m70と安定してきた。「5m00にバーを上げるくらいにしたい」と言うのは、自信の裏返しだろう。

 今大会の課題は「記録よりも攻めること」だった。
「走幅跳は2本跳びましたが、砲丸投は1本目で決めました。走高跳は1m96、棒高跳は4m60から試技を始めました。400 mと1500mも狙い通りのペースで走りました。天候にも恵まれて、最後の1500mまでまとめられて7500点台に乗せられたのは良かったですね。来年につながる大会になったと思います」
 ひじの治療の経過次第だが、来年は国際大会で結果を残すことが目標だ。
「アジア大会にしっかりと出てメダルを取ること。ヨーロッパでも試合をしたいと思っています」
 本田陽コーチはかねてから「8000点を超えられる素材」と期待をかけている。来年が日本人2人目の大台突破のシーズンになるのか、それとも8000点への地ならしのシーズンとなるのか。右代とは得意種目の異なるタイプのデカスリートが8000点を突破すれば、日本の十種競技が大きく前進する。

10種目めの1500mも積極的に走った中村
七種競技は日本記録保持者の中田が5298点で優勝。「40歳までやりたい。工夫すればできると思います」
冨山がセカンド記録の5232点で2位。今年4月の日本選抜和歌山大会で出した5315点に迫った
国士舘大学Combined Challengeは2011年に始まった大会。以前は群馬の大会で混成競技が行われていたが中止となり、テグ世界陸上に出場した右代啓祐(スズキ浜松AC)の「10月にも試合に出たい」という意向を受け、陸連も交えて話し合った結果シニア混成選手が多く練習拠点にしている国士大が実施し始めた。2年目以降の開催については白紙だったが、国士大の学生から継続したいとの声が挙がり、女子の七種競技も加わって当初のデカスロン・トライアルからCombined Challengeに大会名を変更して開催が継続している


寺田的陸上競技WEBトップ