2012/7/22 トワイライト・ゲームス
ロンドン五輪ブラジル代表入りに失敗
杉町マハウが2016年リオ五輪に意欲


 男子400mHは北京五輪、昨年のテグ世界陸上とブラジル代表として出場し、ともに準決勝まで進んだ杉町マハウ(日本ウェルネス)が貫禄勝ち。50秒02と記録的にはいまひとつだったが(自己記録は48秒67)、健闘した水野龍彦(日体大)に0.46秒差をつけた。テグ世界陸上代表だった今関雄太(渋谷幕張高教)も抑えた。
「今日もタイムを出したい気持ちが強すぎました。オリンピック代表になった人たちよりも良いタイムを出したかったんです。もう少し落ち着いたレースができれば、結果は違ったかもしれません」

 杉町は7月1日のブラジル選手権に優勝している。タイムも49秒24とA標準を突破したにもかかわらず、代表には選ばれなかった。ブラジル陸連が過去の大会の12位平均を算出し、400mHは49秒18を派遣記録として定めていたからだ。4年後にブラジルで開催されるリオ五輪に向け、より厳しい選考基準を打ち出しているという。
 本人ブログを読むと、前半が向かい風で武器である12歩インターバルを3台目までしか使えなかったようだが(通常は5台目くらいまで)、それも想定していて対処できた。精神的にも良い状態をつくれたようだ。日本育ちということでアウェイ状態なのかとも思ったが、観衆も杉町を応援していた。
 高い派遣標準記録だけが壁となった。

 悔いが残るのはシーズン序盤の試合で気負いがあったこと。初戦の静岡国際で50秒29、第2戦はブラジル国内の大会で49秒5(手動計時)、第3戦はワールドチャレンジミーティングのリオデジャネイロ大会で51秒18。
「練習もできていましたし、体が動いていない、ということもまったくありませんでした。タイムを出さなきゃ、49秒18を切らなきゃという気持ちが強すぎて、後半でバテてしまったんです。タイムを狙うのでなく、落ち着いて勝つレースをしたらよかったのかもしれません」

 27歳の杉町(11月で28歳となる)は、4年後のリオ五輪の時は31歳。年齢的には、何かしらの工夫をしないと衰えが出ているはずだ。だが、杉町はリオ五輪を目指す決意をした。ブログには強い意思を感じさせる言葉が綴られている。

ただ、わかったのは、私は色んな人に支えられてる事!
そして、私は今、決めました!
リオ・デ・ジャネイロオリンピックまでは現役を続けます。
いや!
出ます!
環境が変わっても、32歳なってても、誰がなんと言っても、やります!
やらせて下さい。
それが、私の人生です。
まだ、夢の途中なんです。


 そのためには、ブラジルよりもレベルの高い日本のハードラーたちと切磋琢磨する。「オリンピック代表になった人たちよりも良いタイムを出したかった」という冒頭のコメントは、もちろん日本の五輪代表選手を指す。取材中には同学年の成迫健児(ミズノ)や小池崇之(同)の名前も出てきた。
 これまで同様に日本で、これまで以上に強くなり、母国ブラジル開催のオリンピックを目指す。


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