2012/7/22 トワイライト・ゲームス
五輪前最終戦のディーンは78m72
現状と今後の過ごし方は?
競技後のコメントを整理して紹介
●トワイライト・ゲームスを振り返って
77m28
76m58
78m72
77m12(全4回試技)
競技終了後のインタビューでディーン元気(早大3年)は、開口一番(と強調することもないのだが)次のように話した。
「ロンドンは肌寒くて今日に近いコンディションになると聞いていますので、(涼しかった今日は)良い環境でできたと思います。お客さんがたくさん入ったなかで、最後の技術チェックができました。良い練習になったと思います。まだ30〜40%の状態です。*********で予想外に下半身の疲れがありましたね。下が動いてくれなくて記録が伸びませんでした。でも、ゆっくりした動きの練習投てきでは悪くなかったと思うので、(24日から村上幸史と一緒に行う)合宿で仕上げていきたいと思います」
カコミのペン取材時にこの日の動きについてもう少し詳しく説明した。
「今日は下の方まで重くて、練習から走れていることは走れていますし、体重も89kg前後で維持できています。全助走では(今季から特に)しっかりピッチを上げていますが、今日は上半身まで力を入れないと速く刻めませんでした。ダメなときの典型です。ただ、疲労があるなかであそこまで投げられたのは良かったと思います。練習投てきでは脚をそれほど上げないゆっくりした動きですが、しっかりとできました。タイミングは悪くありません」
今大会の行われた織田フィールドは芝生が80m。ディーンが80m以上を投げると芝生をオーバーしてしまう可能性があり、ラインが芝生の手前8mに引かれた。通常は芝生のすぐ手前なので、選手には違和感があると思われた。
「そうでもないですね。ロンドン五輪の会場は芝生まで距離があるみたいなので、良い技術チェックになったと思います。(今日おもにチェックしたのは)ラストクロスからのところです。体の開きだったり。全助走では上手くできず、結局修正しきれずに終わってしまいました。でも練習投てきではよかったです」
●置かれた立場の変化について
昨年の世界陸上には出られず悔しい思いをした。ましてや、高校を卒業して3年目でのオリンピック出場である。そういった自分のポジションの変化をどう受け止めているのだろうか。
「(自分のポジションが変わった感慨は)もちろんありますが、絶対に出てやるという気持ちでやってきました。その立場になったらもう、次のステップを考えています。ここまで来られたというのはもう、過去のことです。日の丸は何回か背負っていますがオリンピックは初めてで、未知の部分もあります。でも、出場するだけでなく、活躍してこそ****と思ってもらえます」
世間の注目も極端に高くなった。
「オリンピックに出るということは、こういうことだと、全てを受け容れるしかありません。気にしないようにしています。でも、体が(一般人よりも)大きいですから、街に出たりすると気づかれたりしますが、陸上競技を好きでやっていることですから、それに集中するのは当たり前です。しっかりと結果を出して、(注目されるプレッシャーも)跳ね返して、恩返しをしたい」
●ロンドン五輪までの過ごし方
「今から自分の世界に入って、周りと遮断して、自分の世界に集中していきます。ナショナルトレセンでトレーニングをして、街にはあまり出ない生活を送って、ロンドンに向けて集中していきます。ここまでは出ないといけない機会が多かったのですが、これからは外に出ずにトレーニングに集中します」
元五輪選手というテレビの女性レポーターからの「自分はオリンピック前の最終調整はワクワク感があって楽しかったが?」という質問には次のように答えた。
「もちろんワクワクしますが、しっかりとやることを見ないと、地に足がつかずフワフワしてしまいます。最高峰の大会でも、自分を持ち続けられるかどうかが重要になると思います」
今年の日本選手権への調整が上手く行った例だと話していたことがある。その再現ができる手応えはあるのだろうか。
「本当の最後のチェックは来週(の村上との合宿)になります。今は調子の良い状態のときの思いきりがありません。その面でも、来週の合宿がカギを握ることになります。(それができそうな雰囲気は)あります。周囲の雰囲気や大会でモチベーションは変わります。まだまだこれから、仕上がっていきます」
●ロンドン五輪の目標
「今までやってきたことを全てぶつけて、大ベストを投げられるようにしたい」
大ベストという表現は、具体的な数字を言っているのではなく、概念的なものだと感じられた。具体的な記録を質問されると次のように答えた。
「わからないです。目標はつくらずにやっていきます。そういう意味で大ベストなんです。(強いて数字で言えば)織田記念の自己記録を大幅に上回る記録を投げられればと思います」
本番での寒さ対策について質問されると次のように答えた。
「ウォーミングアップは芯から温まるように行います。どちらかというと、暑いときの方が注意が必要なんです。表面だけ温めてしまうことにならないようにしないといけません。寒いときは、これまでも何回か経験していて、しっかりやるので心配していません」
まずは予選に集中すると、代表が決まってから言い続けてきた。
「予選が大事になると思っています。予選からベストを出すくらいのつもりで行きます。今日のような投げではダメで、しっかりと仕上げ、ロンドンが終わったときにやり投がもっと好きになれるようなオリンピックになればいいですね」
寺田的陸上競技WEBトップ
|