2012/2/19 日本選手権20km競歩
藤澤、初優勝も五輪選考基準タイムに9秒届かず
ラストで失速も「非常に有力な候補」
◆男子レース展開
谷井孝行(佐川急便)が1kmを3分55秒(途中計時は5km毎以外は非公式)とハイペースで入った。2kmでは4〜5m差で森岡紘一朗(富士通)、藤澤勇(ALSOK)、荒井広宙(北陸亀の井ホテル)、西塔拓己(東洋大1年)の4人が続き、さらに数m離れて山崎勇喜(自体学)が追う展開。
5kmは谷井が19分58秒の通過で、4人の集団が20分07秒。6番目の山崎は20分18秒。6km付近で2位争いの集団から荒井が後れ始めた。
3人となった集団は10kmで谷井に追いついたが、その付近から縦長の展開に。谷井の10km通過は40分13秒。西塔、藤澤、森岡とそれぞれ1秒間隔で続く。大学1年生で今年もジュニア資格を持つ西塔の健闘が光っていた。荒井は40分33秒。勝木隼人(東海大3年)が体1つ山崎の前に出て40分43秒で10kmを通過した。
10〜11kmの間に藤澤と西塔が、谷井と森岡を引き離しマッチレースの展開に。11kmまでの1kmは4分03秒、12kmまでは4分02秒だったが、13kmまでは4分06秒、14kmまでは4分04秒とややペースダウン。選考基準記録突破が危なくなってきたため、藤澤が14kmでスパート。15kmは1時間00分21秒で、この1kmは3分55秒までペースアップして西塔を振り切った。16kmまでも3分56秒と、この1周(2km)はハイペースを維持した。
ところが17kmまでは4分05秒、18kmまでは4分02秒とペースダウン。19kmまでは4分08秒、最後の1kmは4分04秒。ラストで切り換えて落ち込みは最小限にとどめたが、藤澤は1時間20分38秒で五輪選考基準タイムには9秒届かなかった。
2位の西塔は1時間21分01秒のジュニア歴代2位、学生歴代7位の好タイムをマーク。荒井が終盤で順位を上げて3位、1時間21分10秒の自己新だった。4位の勝木も1時間21分14秒と大幅な自己新。5位の谷井、6位の森岡までが1時間21分台で、山崎が1時間23分37秒で7位。8位には岩手大1年の高橋英樹が1時間23分40秒で入った。
◆藤澤コメント
「ラスト5kmから勝負する予定でしたが、選考基準タイムに間に合わないと聞いて、残り6kmでペースを上げました。夜もよく眠れましたし、朝も普通に起きられて、レース前に飲まれた感じはありませんでした。しかしラスト1周でオリンピックを意識しすぎてしまい、まったく自分でなくなってしまった。自分の歩きがどうなったのか、何が起きているのかわからない。ラスト1kmで3分58秒だと言われましたが、練習ではそのくらいで上がれていました。まさか、こういう結果になるとは…。タイムを破ることができず本当に悔しい。まだまだ精神的にも、力的にも甘いのだと思います。詰めが甘かったですね。自分の弱さと真摯に向き合って、次は日本記録を狙えるようにしたいです」
「昨年のこの大会は途中棄権で、世界選手権の代表にもなれず、注目度も下がってトップランクから外れたと感じていました。J1からJ2に落とされたみたいでしたね。どこかのレースで勝っても、勝った気になれませんでした。代表選手たちは世界選手権に向けてやっていて、僕は全力で戦って、という雰囲気を感じざるを得ませんでした」
「日本選手権に初めて勝てたことは嬉しいです。谷井さんが飛び出して、ここを取るんじゃないかとも思いましたし、森岡さんも後半に追い上げてくるのではないかと予想していました。タイムも1時間20分台は過去に1回しか出していません。本当に(基準タイムを)出せるのか不安もありました。タイムもそうですが勝負も気になっていました。そのなかで勝てたことは素直に嬉しいです」
◆小坂忠広・陸連競歩部長コメント(サンスポ記事から引用)
「海外の実績もあるし、非常に有力な候補であることは間違いない」
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