2012/3/11 名古屋ウィメンズマラソン
レース後会見
尾崎好美
2位・2時間24分14秒
「今までにないスピード感をもってマラソン練習に取り組めた」


「年間マラソンを3〜4本走っても大きな故障もなく、練習が継続してできた」
Q.横浜国際女子マラソンを踏まえて、スパートのタイミングをどう考えていましたか。また、マヨロワ選手が来たときにどう対応しようと思いましたか。
尾崎好美 スパートの位置は走る前は決めていなくて、30kmくらいでペースが遅いようなら自分で行ってみようかな、とか、そんなに遅くないペースなら、ラストでイケルと思うところまで付かせてもらおうかと考えていました。マヨロワさんが行ったところは一度、付こうとも考えましたが、日本人を意識してしまいました。もしも付いていって最後に潰れてしまったらと不安があったので、前に付かず2位争いをしてしまいました。
Q.2位争いをしてこの結果に対して、後悔とかはありませんか。
尾崎 後悔とかはありません。やっぱり日本人トップになりたかったので、そこに迷いはありませんでした。やっぱり日本人トップにならないとオリンピックは決まらないと思っていましたから。ラストだったら勝てると思って、そこはタメました。
Q.一昨日の会見で、今回の練習で新しい発見があったと話をされていましたが、具体的にはどういうことでしょうか。また、それと日本人トップになれた理由は関係していますか。
尾崎 新しい発見というのは、年間マラソンを3〜4本走っても、その間大きな故障もなく、練習が継続してできたことです。それが新しい発見です。日本人トップになれた理由としては、やっぱり3回目ということで吹っ切れて、自分でも不思議なくらい落ち着いていました。それとオリンピックに出たい気持ちで勝てたのだと思います。

「野口さんも赤羽さんも、呼吸がきつそうでしたから、勝てるかな、と思いました」
Q.勝ったと思った瞬間はどこで、ドームに入ったときはどんなことを考えましたか。また、今日はレース中にロンドン五輪のことをどう考えて走っていましたか。
尾崎 勝ったと思ったのは最後に、ドームに入る前で山下(佐知子)監督が声を掛けてくれたところです。『後ろとは勝負あったから』と。そこまでは後ろが気になっていました。ドームに入ったときの気持ちは、あまり日本人トップになれるとか、そういう気持ちがなかったんです。ドームを下見したとき下にビニールシートが貼られていて、これは当日どうなるんだろうと考えていたことを思い出したり、そういった変なことを考えていました。
Q.オリンピックのことはレース中に考えましたか。
尾崎 やっぱり日本人トップになるしかない。そういうことしかなかったですね。オリンピックに出たい気持ちで走っていました。
Q.調子が上がったきっかけとなった全日本実業団対抗女子駅伝で被災地を走られて、今日も震災から丸1年という特別な日に、この舞台で走りました。
尾崎 1年経ってちょっと忘れかけているところがあったところで、こうしてマラソンが開催されて走ることができました。出場して当たり前、ではなく、感謝をしたい気持ちが強くありました。本当に今日、こういう舞台を走れたことは意味があったと思います。
Q.レース中、赤羽さんが追いついてきたり、野口さんが追いついてきたりしたことはわかっていましたか。
尾崎 沿道の方の声援で“野口さん”、“赤羽さん”という声援が聞こえなくなったときは、離れたのかな、と思いました。“野口さん”、“赤羽さん”という声援がまた聞こえてきて、追いつかれたんだと思いました。沿道からの声援で判断できました。
Q.ライバルたちを意識していましたか。
尾崎 そうですね。意識していました。
Q.(質問不詳)
尾崎 野口さんも赤羽さんも、呼吸がきつそうでしたから、勝てるかな、と思いました。その点中里(麗美・ダイハツ)さんはすごく楽そうでした。でも、ラスト勝負なら負けないと思って走っていました。自分がイケルと思うところまで、ラストはつかせてもらいました。

「夢に届きそうなので嬉しい」
Q.横浜のレース後の会見で、山下監督と一緒にロンドン五輪に行きたいとコメントされていましたが、今日はレース後にどういう会話をされましたか。また、どういうメッセージを今、届けたいですか。
尾崎 ロンドン五輪は明日の発表があるまでわかりません。ゴール後はハグをしましたが、言葉はあまりなかったような気がします。日本人トップでよかったということと、普通(の状態)に戻ってレース内容の善し悪しを話しました。あとは今日、日本人トップになれたので、オリンピックへの道は開けたと思います。目標でもあったし、監督と一緒に行きたい。夢に届きそうなので嬉しいです。
Q.山下佐知子監督と一緒に行きたいということや、あきらめたくなかったというお話ですが、オリンピックへの思いが強いことの裏には特別な何かがあったのですか。
尾崎 監督が(バルセロナ)オリンピックに出場していて、その話を聞いています。他の世界大会よりも特別なものだよと経験などを聞いています。でも、出場してみないと実際のことはわかりません。出場して、どういうものか感じたい、ぜひ出場したいと思っていました。
Q.ベルリン世界選手権で銀メダル、テグの選考会の横浜国際女子マラソンと成功しましたが、テグの世界選手権と昨年11月の横浜国際女子マラソンは調子が悪い中でのレースでした。今回コンディショニングで変えたところや、上手く行った方法があるのですか。
尾崎 あまり変えたところはありませんが、横浜は少し貧血気味だったので、貧血にならないように気を付けました。食事やサプリメントの摂り方にすごく気を付けました。練習はこれまで、スピード感をもってマラソン練習に取り組むことができずにいました。今回は昨年12月の全日本実業団対抗女子駅伝くらいから、スピード感をもってマラソン練習に入って行けました。今までにないスピード感をもってマラソン練習に取り組めたことが変わった部分です。レース前は高地トレーニングだったのであまりタイムを追えないところもありましたが、感覚でキレやスピード感を体感しながら練習できました。
Q.今回は日本人トップが目標でしたが、今後は特徴のよくわからない外国選手とのレースになります。そのときにどうレースを展開しますか。
尾崎 オリンピックは記録よりも順位が大事かな、と思うので、そこは順位を重視して行きます。やっぱり人の後ろに付いていくのが得意なので、そういうレースをしつつ、自分で勝負する。今回も結果的にラスト勝負になり、途中から1人で行くことができませんでした。そういうことをするのも必要になると思います。あとは海外選手は特徴があまりわからないので、そこは今の時点であまり考えても仕方ないので、得意な部分を伸ばすことを考えてやっていきます。


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