2012/3/11 名古屋ウィメンズマラソン
レース後会見
中里麗美

3位・2時間24分28秒
「横浜で尾崎さんに負けていたので、今回は絶対勝ちたいという気持ちで走っていました」
「木崎さんと一緒にダイハツチームで監督をロンドンに連れて行きたかった」


「豪華メンバーの中で走らせてもらえることがすごく楽しみでした」
Q.レースの率直な感想をお願いします。今回五輪最終選考会ということで実績のある選手が多く集まったわけですが、これまでのマラソンレースと違った緊張感はありましたか。
中里 やっぱり絶対オリンピックに行きたいという気持ちが強かったので、レース中も前の方から積極的なレースをしようと心がけていました。その点では自分の納得のいく走りができたかなと思います。メンバーが豪華だったので、スタート前は横浜で2位になったときよりも緊張感がありました。でも、豪華メンバーの中で走らせてもらえることがすごく楽しみという気持ちが強かったので、そんなに緊張したレースではありませんでした。
Q.今日のレース全般を振り返ってみて、思ったよりうまくいったのか、それとももう少しこうした方が良かったというところがあったのか。
中里 目標にしていたタイムが2時間22分を切ることだったので、もうちょっと積極的に、ペースメーカーの方が外れてから行けたら良かったかなと思っています。もっと力をつけて、積極的に後半上げていかないと世界で通用しないなと感じました。

「力の差で尾崎さんに負けたと思っているので、いつかリベンジしたい」
Q.終盤、尾崎さんとマッチアップになったときに、どんな思いで走っていましたか。相手をどう考えて、どんな駆け引きをしていこうと考えていましたか。
中里 前回の横浜で尾崎さんに負けていたので、今回は絶対勝ちたいという気持ちで走っていました。自分が前に出て引き離したい。そういう気持ちで無我夢中で走っていましたが、尾崎さんも力のある選手ということはわかっていたので、すごく怖い状況でした。ラストの弱さはありますけど、そこまで劣っていないはずだからと強気で最後まで行きました。ただ最後に転んでしまって、そこがもう本当に悔しい。もうちょっと行けたかなとは思っているんですけど。でも今回も力の差で尾崎さんに負けたと思っているので、いつかリベンジしたいなと思います。
Q.どこで転んだのですか。
中里 イオンの通りの最後の直線から、急カーブで曲がってドームに入るんですけど、急カーブで転んでそこから立ち上がるのにも時間がかかってしまい、そこでもう差が開いてしまい見えなくなってしまいました。Q.滑ってしまったのですか。
中里 曲がり切れずに自分の足が絡まってしまって…。転んで少し打ってしまって、痛くて…。そのときに差がついてしまい、尾崎さんの背中がすごく遠くなってしまいました。すごく悔しかったです。

「尾崎さんを離せなかったことと、切り換えができなかったところに甘さが」
Q.自分でずっと引っ張っていたわけですが、行けるんじゃないかという気持ちが強かったのではないですか。
中里 尾崎さんの前に出たときには、横浜のときのように足が動かない感じではなく、自分の中では勝負できると思って出ました。そこで尾崎さんが後ろにつかれたときに、もうひとつ上げられたら良かったかなと思っています。でもそこが離せなかったことと、切り換えができなかったところに甘さが表れてしまいました。
Q.もう少し早い段階で仕掛けるつもりはあったのですか。またペースメーカーが外れてから引っ張っていたときに、風の影響は感じましたか。
中里 早い段階でのロングスパートは走る前から考えていましたが、ロングスパートできるほどの余力は残っていませんでした。尾崎さんが前に出たり、途中先頭がちょこちょこ入れ替わったところがあったのですが、自分がドーンとスパートする力は残っていなかったですね。風は序盤から吹いていて、25kmでペースメーカーが外れたとき、ペースメーカーの方が長身だったこともあって、風がいろんなところから吹いて来るように感じて気になりました。でも沖縄で合宿していたときもすごい風だったので、風がきつくてペースが上げられないとは思いませんでした。

「14秒差というのはすごく悔しい」
Q.同じダイハツの木崎さんが代表候補の1人で、同じチームから2人代表が狙えた状況でしたが、2人いることが今日のレースに何か影響しましたか。
中里 横浜で木崎さんが優勝されて、私も一緒にダイハツチームで監督をロンドンに連れて行きたい思いがすごくありました。ライバル視するというよりも尊敬している先輩です。すごい実績もありますし、私も早く先輩に追いつきたい、一緒に頑張りたいという思いでいます。合宿を一緒に励ましあいながらやったり、今回に向けて応援もしてくださいました。2人で行くことに意義があると思っていました。
Q.転倒があっての14秒差は大きいものですか。それとも十分埋められるものですか。また尾崎さんがスパートしたときの気持ちとか身体の状況について教えてください。
中里 14秒差というのはすごく悔しいですね。転倒は、負けていたとしても悔いが残るところです。尾崎さんがスパートされた時はちょっときつかったんですけど、前回のことを繰り返したくないという気持ちでがむしゃらに走っていました。そこで離されなかったので自分の気持ちもちょっと元気になって、よし、次は私だと思っていたんですど、やっぱりそこで離されてしまって力の差が出てしまったので悔しいです。

「勝ち負けということよりも、このメンバーの中で勝負したことに価値がある」(林監督)
Q.監督にお聞きしたいのですが、今日の中里さんの走りを振り返っていかがですか。またこれまでの彼女の走りと比べて成長した点がありましたらお願いします。
林清司監督 今日の走りは僕は良かったと思います。8番までに入った日本選手が全てオリンピックや世界陸上の選手という中で、堂々と最後まで渡り合っての結果です。勝ち負けということよりも勝負したことに価値があるしよく頑張ってくれたと思います。成長した点としては、全日本実業団女子駅伝のときに不調でまったく走れない状態でしたが、そこから約2カ月ちょっとでここまで引き上げられた。人間的にも肉体的にもだいぶ成長しました。最後までこういうレースをすることによって、彼女はまた1つ大きな経験ができたと思います。尾崎さんや野口さんのような経験はないかもしれませんが、1つ1つこういう経験を積み重ねていけばオリンピックでの金メダルに少しずつ近づけられるのではないかと思います。本当にいい経験をさせてもらったなと思ってます。
Q.中里さんは2人で監督をロンドンに連れていきたいとおっしゃっていましたが、選考レースすべてを終えて監督はどういう心境でいますか。
林監督 横浜の木崎、今日の中里ということで、同じチームの2人なわけですが、僕としてはオリンピックの切符を手にすることができるレベルの選手が(たまたま)2人いたということです。選手にとってロンドンの切符は1枚1枚だと思いますし、一生にそんなにチャンスがあるものでもないので、必ずロンドンの切符を手にさせてあげようという気持ちで対応していました。本人たちもそういう気持ちで練習してきたと思います。それを明日待つ気持ちとしてはすごく複雑ですが、冷静な気持ちで結果を聞きたいなと思っています。

「2時間20分くらいで走れる強い選手になりたい」
Q.昨年の横浜、世界選手権、今日の名古屋と安定した結果を残されていますが、自分の中で成長した部分があったら教えてください。また、今後どれくらいまでタイムを伸ばせそうですか。
中里 3レースとも日本人2番という結果は自分の中ではすごく悔しいです。1番でゴールするのが目標だったので、そこはどこか自分に甘さがあると見ています。タイムは絶対に2時間20分くらいで走れる強い選手になりたいと思っています。
Q.去年の横浜とほとんど同じタイムですが成長とかは実感されてますか。
中里 去年の横浜はつかせてもらったレースでした。今回はその点では積極的にいくところは行ったので納得していますし、自分では成長したところかなと思っています。
Q.マヨロワ選手が来た時にどういう心境だったのか教えて下さい。
中里 行こうと思っていたのですが、思ったより身体にダメージが来ていました。そのときはいっぱいいっぱいで、マヨロワ選手のペースに対応できませんでした。


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