2012/6/22 日本学生個人選手権 第1日
日本選手権優勝の岡部が16m51の大会新
今季3試合目の16m50オーバー
17mの可能性は?

 男子三段跳は日本選手権に16m54(+0.7)で優勝した岡部優真(福岡大)に注目が集まった。2回目、3回目、5回目に16mを超えたが、5回目の16m18が最高で、大会記録の16m26(花谷昴・阪大=2008年)にはなかなか届かない。しかし、6回目はジャンプが5回目までと比べると格段に伸び、16m51(+1.9)をマークした。
 岡部の16m50オーバーは3試合目で、すべて今季に入ってから。石川和義や十亀慎也がケガで結果を残せていないこともあり、現在は日本の第一人者のポジションだ。
 2000年の杉林孝法以来途切れている、17mへの挑戦権を固めつつある。

 170cmと小柄だが、それを補う助走スピードがあり、「良いときはホップとステップで11m50近く行く」(片峯隆総監督)という。
 技術的な課題は「いくつもある」(岡部)というが、跳躍比でいうとジャンプが小さい点を克服しないといけない。
「ホップとステップで11m30とか行けるのですが、ジャンプが5mちょっととお粗末過ぎます。ジャンプが6m前後まで行けば17mも超えられるはずです。ホップとステップでは腰の入った感覚で行けるのですが、ジャンプはなでるような感じです。腕を下ろすのも早いですし」

 しかし、この冬の技術的な変更点が功を奏しつつあるのは確か。自身も幻のモスクワ五輪代表だった片峯総監督が説明する。
「踏み切り前を修正して、昨年まで高く跳んでいたホップを、今年は水平方向に跳び出るように変えました。ステップ以降も垂直方向にかけていた力を、前方向に抜けることを意識してやっています。苦手だった着地も、走幅跳の菅井(洋平・ミズノ)君を参考に、この冬でずいぶん良くなりました。元々、岡部のステップのタメの動作は他の選手にも参考になるものです。17mを超えられる選手だと思いますし、岡部がそれを成し遂げれば、日本人にとってはモデルとなります」

 先輩選手たちが故障で苦しんできた種目だが、岡部は故障が少ない方。「インナーマッスルが強いからでしょう」と片峯総監督は分析する。17mへの残り50cmが簡単でないのは事実だが「16m50の感覚は持てているので、次は16m80の感覚を持つこと目指して、その次が日本記録(17m15)でしょうね」と片峯総監督は期待する。
 ロンドン五輪には間に合わなかったが、今月末にはアジア・オールスター(カザフスタン)に遠征し、ロンドン五輪も現地に足を運び、生で雰囲気を経験する予定だ。
 三段跳復活の先陣を切る選手となるか。


WOWOW
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