2012/3/4 びわ湖マラソン
日本人1位は一般参加の山本亮、特徴は驚異的な練習量
4位・2時間08分44秒
「12月、1月、2月とだいたい1200kmくらい走り込んで臨みました」

レース後会見での一問一答
「オリンピック、オリンピックと言いながら走っていました」
Q.以前から日の丸を背負いたいと話していましたが、オリンピックはいつから意識し始めて、どんな思いで今回臨みましたか。
山本亮 現状、僕のベストタイムが2時間12分10秒で臨みましたから、はっきりした確証はありませんでした。しかし練習の質を上げていくなかで、ベースとして普段から距離は踏んでいて、そこは変えずにやって来られました。準備してきたことを出せればそこも狙えると思ってスタートラインに立ちました。レースの中では後半苦しいところもありましたが、日本人トップも見えて「オリンピック、オリンピック」と念じながら走っていました。

Q.レースの中で日本人トップを確信した場面はどこですか。それと25km以降は第2集団でどういうことを考えて走っていましたか。
山本 確信したのは、抜いたのは最後でしたし、残り200 mで後ろを見たときに、このままイケルかなと思いました。25km以降は中本(健太郎・安川電機)さんについて行ったのですが、前も行っていましたがこの気候ですから落ちてくる可能性もある。とにかくリズムを作って、最後まで、42kmをかけてしっかり戦いきろうと思っていました。

「基本的なスピード能力、スピード持久能力を高めることが課題」
Q.先ほどのインタビューで練習量に自信があると言っていましたが、ご自身のアピールポイントは? それと、これからの課題は?
山本 練習量の多さということでは、日本の中でも距離を踏んでいる選手だと思います。そこから後半の粘りが出てくると思っていますし、今日もそこを出せたから後半行けたと思っています。現時点で強みだと思っています。ただ、25kmからレースが動いたときに行けませんでした。世界大会に出て入賞していこうと思ったら、そういうところで動かないとダメです。そういう部分も含めて基本的なスピード能力、スピード持久能力といったところを高めないとダメだと思います。それでも、今回が初めてのサブテンでしたが、8分台に入れたことは1つのステップを踏めたと思います。中盤以降でレースが動いたときに対応する力を付けるのが課題です。

Q.どういう練習が特徴ですか。
山本 ポイント練習は基本的にオーソドックスにやっています。間の、つなぎのジョッグを重視して、長めに走るようにしています。いつもはマラソンの3カ月前、2カ月前に距離を踏むのですが、今回は駅伝などがあってそこに山を持ってこられませんでした。直前の2月も含めて、12月、1月、2月とだいたい1200kmくらい走り込んで臨みました。

Q.間のジョッグはどのくらい走るのですか。
山本 合宿では3部練習になりますが、そういうときには少なくても80分とか、100分とかですが、そのときそのとき、ですね。あまり距離(数字?)を追うのでなく、長めに走ろうとやっている積み重ねですから。そこまで意識はしていません。でも120分ジョッグは自分のなかで大事にしています。実際のマラソンの時間に対する耐性をつけようと思って大事にしています。キロ5分とかゆっくりのペースです。

「清水智也さんを見て、マラソンで世界に出たいと思い始めました」
Q.長田高(兵庫県)は進学校で知られていますが、マラソンでオリンピックを目指すようになったきっかけや経緯は?
山本 まずは大学(中大)で続けようと思ったところが1つのターニングポイントでした。中大で上の人たちにもまれているなかで、もっと上を目指したい思って実業団に進みました。チームの先輩の清水智也さんのマラソンを見て、マラソンで世界に出たい、力を付けてマラソンに挑戦したいと思って北海道マラソン(2009年)に出ました。そこからすぐには無理でも、確実にステップを踏んで世界に出たいと考えていました。

Q.今回はどのくらいオリンピックを意識していましたか。
山本 出るからには、という感じは持っていました。やってきた練習には自信がありましたから。ただ、持っているタイムが2時間12分10秒でしたから、現実味があったのかどうかは自分でもちょっとよくわかりません。やってきたことを出せれば、イケルんじゃないかとは思っていました。


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